ビッグマックが罪悪感ゼロ!?

パン食で、「できるだけ多くの野菜を食べる方法はないか?」を考えたとき「具だくさん味噌汁」をパンと一緒に食べるという方法があります。そこで、「ビッグマック」を食卓に並べても罪悪感を覚えない「野菜がしっかりとれる」お味噌汁のレシピを紹介します。

簡単につくれて、見た目にも楽しい「ビッグマックと、なめこ・絹さや・プチトマトの赤だし」

ビッグマックを野菜たっぷりの赤だしといただきます。まずは、ビッグマックを店でテイクアウトするのですが、このときにポイントがあります。「野菜多めでお願いします」というと、ビックマックの野菜(オニオン・ピクルスなど)を多くしてもらえるのです。逆に、ピクルスや玉ねぎが苦手な子どもなら「オニオン・ピクルス抜きで」とお願いすることもできます。減らした分以上の野菜を、お味噌汁で補充しましょう。

仕込み必要なし!

包丁もまな板もいりません。必要なのは、ビッグマックと赤だしの材料を買っておくことだけ。忙しい朝でも、ちょっと疲れた夜でも、お気楽高速にできちゃいます。

・お味噌汁(おみおつけ)のレシピ

【材料】

だし入り赤だし

プチトマト

なめこ

絹さや

アオサ

なめこは、凍らせておいたものを使っても平気ですので、気がついたときに購入しておけば楽チンです。

(1)絹さやは水洗いしたら、ヘタの部分を指でパキッと折って、スジもそのままスーッと取ります。反対側の先の部分もまたパキッと折って、スジが取れるようなら取ります。多少スジが残っても茹でてしまえば食感に影響はありません。1本当たり、「パキッ+スーッ+パキッ(3秒)」で完了です。

(2)なめこはいったんザルにあけて、サッと水洗い。5秒で十分です。独特のぬめりがなくなってしまうので、洗いすぎないようにしてください。

(3)プチトマトは、ヘタをとってこちらもサッと水洗いしてください(今回は「へたなし」のプチトマトを使いました)。

(4)お鍋にお水を入れて火にかけ、沸騰したらプチトマトを入れます。再度沸騰したら、今度は絹さやとなめこを入れ、もう一度沸騰させます。火を止めたら「赤だしのもと」を入れます(今回は、マルコメ「赤だし」を使いました)。

(5)再度火を入れ、ひと煮立ちしたら、火をとめます。

(6)アオサは食べる直前に入れましょう。パリパリの食感が、香り高くも儚く、モロモロとくずれてゆく、諸行無常が味わえます。

ビッグマックと添えて完成!

冷めているようでしたら、電子レンジで温めてどうぞ。温めるときにケースのふたを開けるかどうかは、お好みで。

いただきます!

ここはやはり、まずはビッグマックをガブリといってから、赤だしで流し込んでいくのがよろしいかと。絹さやがサクサク、なめこがつるり、これにプチトマトがはじけるときの酸味が口の中に広がったところに、さらにビッグマックで追い打ちをかけます。「ガブリ→サクサク→つるり→さわぁ」のループが、家族の食卓を笑顔にします。

でも… 筆者的には「ビックマック」はジャンクフードではないのです!

今回、ビックマックを食べることに対して、「そもそも罪悪感」があるように伝えましたが、筆者的には「おいしく食べること」「楽しく食べること」が、まずは大切だと考えています。そこには「幸福感」こそが大切で「罪悪感」という言葉にことさら踊らされる必要があるのだろうか、と考えてしまいます。

特に、子育てなどをしながら「キャラ弁をつくらなければ」「三食見た目を美しく、おいしい食卓を並べなければ」という罪悪感からは解放されてほしいと思っています。何より「生命」をいただく上で、その行為を「ジャンク」や「罪悪」という言葉で括りたくないと、食を愛する者としては熱く思うのです。(齋藤晶)

※本記事は2020年2月27日「VALED.PRESS」に掲載した記事を修正・加筆したものとなります。

齋藤晶(さいとうあき)

大学で日本文学を専攻した後、厨房の世界に。5年間の日本料理のキャリアを経てイタリアンに転向。麻布十番のリストランテでスーシェフを務める。実践で得た経験と文学部のスキルで家庭でもできる新しいレシピを伝える。1987年生まれ。宮城県石巻市出身。