電車に乗るのが好きな「乗り鉄」や走行音などを収集する「録り鉄」など好みの違いで細やかにわかれていてる鉄道オタク(鉄オタ)な人たち。 その中でも、ここ最近注目を集めているのが鉄道写真の撮影に命をかけている「撮り鉄」と呼ばれる人たち。
撮り鉄たちが注目されるようになったのはここ数年の話で、その評判は残念ながら良いものとは言えません。
つい最近も深夜に大宮駅(埼玉県)へ到着した寝台特急「あけぼの」の最後の雄姿を撮影しようと押しかけた大量の撮り鉄たちが互いに罵声や怒号を浴びせ合う姿を撮影した動画がYoutubeで公開され話題になりました。
現役を引退する鉄道があると聞けば西へ東へ、特殊車両が運行すると聞けば北へ南へ。 アグレッシブに活動する彼らが集まる度に日本各地で罵声と怒号が飛び交い、私有地への不法侵入などさまざまな問題をおこす。 「撮影のためならなんでもありか!」と鉄オタ以外の人々にまで嫌われ、一部からは「キチ鉄(キチガイな鉄オタ)」などと呼ばれる始末。
筆者も一人のオタクとして、フィギュアやコスプレイヤーを撮影することがあるので、最高の一枚を撮りたいという気持ちは理解できますが、どうしてこうも問題ばかり起こすのかと疑問を感じていました。 そこで現役の鉄オタでありプロカメラマンとして活動するEさんに話を聞いてみました。
鉄オタの急増と文化の継承が不完全
――あけぼのラストランの動画、見ました?
「見ました。 笑っちゃいますよね。 でも何時間も待つ大変さとか、最後の瞬間を綺麗に撮影したいという気持ちは理解できます。」
――大声で張り上げて罵り合うのはなぜだと思います?
「注意をしているんですよね。 彼らは。 昔から鉄オタ全体のルールとして、鉄道の運行に支障が出るようなことはしちゃいけないっていうのがあるんです。
だから、たとえ駅で停車中でもフラッシュを使うなというルールを守れと注意をしているんですよね。 もし運転士さんの目が眩んで、動き出すときに操作ミスが起きたりしたら運行トラブル発生ですからね。だからフラッシュを使うなと。 ルールを守れという意味で注意をしているんですよ。」