わずか4年間で親の遺産850万円を失うハメに

2022年には割安だった真珠の価格は2023年には上昇。なぜなら考えることはみんな同じだからです。コロナの終わりを見据えて先行投資する人が増えたのでしょう。さらにウクライナ戦争をきっかけに物価が高騰しており、それは宝石も例外ではありませんでした。

当初の見通しが狂ったのだから、真珠の買い付けをやめれば痛手を最小限にとどめることもできたでしょう。しかし夫は一度乗った船をおりようとはせず、予定通りに買い付けを進めてしまいました。

もっと困ったのは2024年、コロナがある程度終息しても宝石の需要が回復せず、夫は売れ残った大量の真珠を抱えることになったのです。売れたのはわずか60万円。今後どうなるか分からない390万円分の真珠を前に、夫婦は頭を抱えるしかありませんでした。

美織さんは「彼に託した合計850万円は父の遺産だったんです」と涙ながらに言いますが、仏の顔も三度まで。さすがに夫に三度も騙され、四度目のチャンスを与える気にはならず、離婚を決意しました。

当の夫もこれ以上、美織さんから吸い取るお金がないと思ったのか、あっさりと離婚届に記入し、結婚生活は4年で幕を閉じたのです。

トラブルメーカーがおかしいのは途中から?それとも最初から?

筆者の相談者(結婚期間0~4年で離婚した20~30代の男女)に対して「はじめから問題がある人だった=性悪説」「結婚生活のなかでおかしくなった=性善説」のどちらに該当するかを聞き取りしたところ、前者は73%、後者は27%でした。

「性善説」の場合、交際期間や結婚期間の「途中で」少しずつ2人の足並みがそろわなくなるのですが、どんな相手でも一定の確率で起こり得ることです。

そのため、相手選びの段階、婚活の最中に将来の危険を察知することは難しいです。一方で「性悪説」の場合、最初から問題を抱えた相手です。そのため、間違った相手を選ばないよう予備知識を得ることが大事です。