ここ数年で、よく耳にする「イクメン」という言葉。これは、育児へ積極的に参加する男性を表すものです。

少し前まで、育児は女性がするものという考えが多く見られました。しかし女性の社会進出などを背景とし、現在は「育児は夫婦で協力するもの」という考えが一般化しつつあります。実際に自ら育児に参加したいと望む男性(=イクメン)は増えており、これは素晴らしい傾向といえるでしょう。子供は、夫婦にとって共通の宝です。

しかし最近、「ブラックイクメン」なるものが生まれているといいます。では、そもそもブラックイクメンとは何なのでしょうか?
 

ブラックイクメンとは?

簡単に言えば、『育児を理由として仕事をサボる人』のことを表します。例えば何か仕事を頼まれた際に、ブラックイクメンからは次のような断り文句が飛び出すのです。

「子供を迎えに行かなければならない」
「子供が熱を出して、早く帰らなければならない」

子供を大切にすることは、良いことと言えるでしょう。実際に、急な病気で早退することも、育児をしていればありえます。ブラックイクメンも、表向きはただのイクメンなのです。

しかしブラックイクメンの場合、その言動は子供のためではなく、自分のためのもの。つまり“自分が楽をするため”に、育児を盾にしているのです。ときには嘘をつき、帰り道で早い時間から一杯……なんていうこともあります。とはいえ上司や同僚からしても、「子供が……」と言われれば強制はできない実態があります。言葉からブラックであるか否かを見極めることは、非常に難しいといえるでしょう。
 

ブラックイクメンは増殖する

ブラックイクメンの一番厄介な点は、その増殖性にあります。
ブラックイクメンが断った仕事は、当然ながら周囲にいる他の社員へと降りかかります。すると、どうなるでしょうか。

「アイツばかり楽をしている」

そんな不満が、他の社員に積み重なっていきます。特に同じく子供のいる人であれば、その不満も大きいでしょう。そしてついに、事態は深刻化します。

「自分も、断れば良いんだ」

そう考える人が増え、いつしか社内はブラックイクメンだらけ。もちろん男性だけでなく、女性にも同じ傾向が生まれてくるのです。これでは、会社が回らなくなるのも当然でしょう。