「親を見れば子がわかる」という言葉があります。子は親と同じ遺伝子を持っており、また子は親と同じ環境で育てられるので、親子は似ているのは当然です。それでも親と仲がいい子、悪い子がいます。結婚相手はどちらが望ましいのでしょうか?

とくに結婚し、妊娠し、子どもを育てる上で、どうしても自分が産まれ、育った環境を参考にします。そう考えると、やはり親と仲がいい男性の方がいいでしょう。

しかし、仲がいいのも程度によります。あまりにも蜜月すぎて「妻と親、どちらが大事?」という質問に「親」と答えてしまうようでは結婚生活を続けていくことはできません。確かに妻より親の方が喜怒哀楽を共にした時間が長いですが、そこは「妻」と答えてもらわないと困ります。

残念ながら、夫と妻の関係が良好でも、嫁と姑の関係が険悪だという理由で離婚に至る夫婦は存在します。夫のマザコンぶりをどこまで許せばいいのでしょうか?

普段、行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっている筆者。今回は、義母(58歳)の行き過ぎた干渉に悩む清野清香さん(34歳/仮名/専業主婦)のケースを紹介します。

夫がいないところでキャラが変わる性格の悪い義母

清香さんは「結婚した当初は優しかったんです」と振り返ります。清香さんは生まれつき病弱で、妊娠中は寝たきりで何もできなかったそう。

そこで夫・亮介(36歳/仮名/会社員)は仕事で疲れているのに、平日でも二人分の服を洗濯したり、二人分の料理を作ったり、清香さんの部屋に掃除機をかけたり、十分に尽くしてくれたそう。清香さんは体調が悪いとき、手伝ってくれる夫に感謝していたのですが、義母はそう思っていなかったそう。

義母が自宅を訪ねてきた際、「亮ちゃんは優しいから」と投げかけ、清香さんは「亮介さんのおかげです」と答えたのですが、夫がトイレに立ち上がると、小さな声で「専業主婦なのに亮ちゃんに手伝わせて」と囁いたそうです。動揺する清香さんが実母に「どうしよう」とLINEを送ろうとすると義母から「何をやっているの」と注意され、義母のことが怖くなってしまったそうです。

さらに、清香さんが夫のYシャツにアイロンをかけ忘れた翌朝、しかし夫はシワのないパリッとしたYシャツを着ていたのです。

清香さんが気づいて「どうしたの?」と尋ねても夫は何も言わずに出勤。夫は何も言わずに実家へ出向き、義母にアイロンをかけてもらったことが後日わかったのですが、夫は「妻がどう思うのか」を何も考えていませんでした。

ワンオペ育児でヘトヘトなのに義母が言いたい放題

そして清香さんは第一子を出産したのですが、いかんせん初めての育児です。うまくいかないことも多くノイローゼ気味でした。常にイライラした状態で夫に当たり散らしたい気持ちを抑えていました。これで夫との仲がおかしくなっては元も子もありません。

そこで清香さんは夫が帰宅する前に夕食を済ませ、夕食の時間が重ならないよう工夫したのですが、これが裏目に出ました。義母がまた自宅に乗り込んできたのです。

義母は「亮ちゃんに寂しい思いをさせるんじゃないわよ!」と清香さんに一喝。さらに「あんたはいいお母さんになれっこない、いいおっぱいも出ないわ!」と畳みかけたのです。

清香さんは産後の肥立ちが悪く、心身ともに疲れ果てているのに酷い言葉を浴びせられ、深く傷ついたそうです。なぜなら義母は育児の先輩。夫を育て上げたのに清香さんの気持ちがわからないなんて……。清香さんは義母への不信感を募らせていったのです。