“うま味”の多い食材とは?
私たちに“うま味”として感じさせているものの正体は、食材に含まれる“うま味成分”です。うま味成分がたくさん含まれていると、その分、うま味も多く感じられます。
うま味成分にはいろいろありますが、主なものは3つ―「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」。
ではここで、これらの成分が多く含まれる食材を見てみましょう。
◎グルタミン酸
特に多く含まれるのは昆布、パルメザンチーズ。干ししいたけ、海苔、野菜ではトマトも多い。
ほかには海藻、野菜、豆、チーズ、きのこ、魚介、卵、緑茶、発酵調味料(みそ、醤油、オイスターソース)など。
◎イノシン酸
かつお節、煮干し、肉、魚、魚介類など、動物性の食材に多い。
◎グアニル酸
きのこに多く含まれる成分。干ししいたけ、えのきだけ(加熱)、ドライトマトなど。
お気づきのとおり、グルタミン酸は、含有量に多少の幅はありますが、多くの食品に含まれています。ここで覚えておきたいのは、「野菜には全般的にグルタミン酸が含まれている」「動物性食材にはイノシン酸が多い」「きのこ類にはグアニル酸が多い」という3点。
最大のポイントは、これらの食材は、それぞれ単独で食べるよりも「グルタミン酸(アミノ酸系)」と「イノシン酸 または グアニル酸(核酸系)」、と組み合わせて食べることで、そのうま味がいっそう強く感じられるようになる、ということ。世に言う「うま味の相乗効果」によって、美味しさがぐぐっとアップするのです。
和風だしの秘密をご存じでしょうか?
昆布(グルタミン酸)とかつお節(イノシン酸)でだしをとると、昆布だけでだしをとった場合に比べて、うま味が大幅に強くなることが知られています。
定番メニューを見てみましょう。
・肉じゃが⇒ 野菜(グルタミン酸)+肉(イノシン酸)
・カツ丼⇒ 玉ねぎ(グルタミン酸)+卵(グルタミン酸)+肉(イノシン酸)
・切干大根⇒ 野菜(グルタミン酸)+干ししいたけ(グアニル酸)
・チキンのトマト煮⇒ 野菜(グルタミン酸)+トマト(グルタミン酸)+肉(イノシン酸)+きのこ(グアニル酸)
・ミートソース⇒ 野菜(グルタミン酸)+トマト(グルタミン酸)+肉(イノシン酸)
・ピザ⇒ 野菜(グルタミン酸)+トマト(グルタミン酸)+チーズ(グルタミン酸)+きのこ(グアニル酸)
すべて「うま味の相乗効果」によって、みんな大好きメニューに仕上がっているのだな、とわかります。きっとみなさんも感覚的に知っているはず。ハンバーガーを食べるとき、肉、チーズ、トマト……、というふうに具を1個1個食べるよりも、「ガブリっ」と全体にかじりついて食べたほうが断然美味しくなる、ということを。
では、ここからがテーマの本番。うま味成分たっぷりの“うま味”系トッピングを使って、料理をさらに美味しく変身させてしまいましょう。