“うま味"系トッピングレシピ

「うま味を加えよう」と思うと、「だしをとらねば」とか、「だしの素を入れねば」とか思ってしまいませんか? でも。先に挙げた食材に、トッピング感覚でうま味食材を加えていけば、特別なだしを入れなくても十分、うま味を引き出すことができるのですよ。基本は野菜(グルタミン酸)に、肉・魚(イノシン酸)やきのこ(グアニル酸)をプラス。あくまで気楽にいきます。ここでは、簡単トッピング例をご紹介します。

 

◆その1:定番メニューにトッピング

◎ひき肉料理や煮込み料理には、とりあえず「きのこ」を加えてみる。

・ハンバーグ、ロールキャベツ、つくね、コロッケなど
水に戻した「干ししいたけ」や、「しめじ」「舞茸」などを細かく刻み、いつもの材料に加えます。
干ししいたけを戻すのが面倒な方は、うま味は低くなりますが「生しいたけ」でもOK。(いろんなきのこをいろんな料理に加えて、味の違いを楽しむのもいいですね)

・ミートソース
「えのきだけ」や「しめじ」を細かく刻み、玉ねぎやひき肉と一緒に炒めます。「ゆで大豆」を細かく刻んで入れても美味です。うま味調味料の「ソース」や「ケチャップ」も加えてみましょう。

・大根と鶏肉の煮物に「しめじ」、すき焼きに「えのきだけ」、親子丼に「干ししいたけ」、シチューに「マッシュルーム」など。「これは合いそうだな」と思うきのこを、さくっと入れてみましょう。
 

◎肉や魚の揚げ物には「刻みのり」や「青のり」を加えてみる。

鶏の唐揚げ、ささみのフライ、あじのフライなど、衣をまぶす前にぱらりとまぶして。お好みで、揚げた後に「パルメザンチーズ」をふりかけたり。

◎サラダに、手軽な動物性食材を加えてみる。

例えば……

千切りキャベツに「ちりめんじゃこ」や「かつお節」をパラパラ。
生のレタスやトマトに「パルメザンチーズ」をふりふり。
塩でもんだ千切り大根に、缶詰の「ほたて」をまぜまぜ。
茹でたアスパラガスに缶詰の「ツナ」をぽんっ。(そして和える)  
(★仕上げは、塩や醤油やマヨネーズやドレッシングで、お好みの味つけをしてください。以下同様)

◆その2:発酵食品をトッピング

納豆やチーズ、キムチなどの発酵食品や、みそや醤油、オイスターソース、ナンプラーなど、発酵調味料にはうま味がたっぷり。それは、発酵が進む中で、食材に含まれるタンパク質がアミノ酸に分解され、グルタミン酸が作られるから。これを利用しない手はありません。

例えば……

 

にんじんのサラダに「ナンプラー」をぽたぽた数滴。
まぐろの刺身とお好みの野菜(きゅうりやセロリ、三つ葉など)、そして「納豆」「キムチ」「高菜」「海苔」をどんぶりごはんの上に盛りっと。

ぺペロンチーノに「イカの塩辛」をたらたらたら~り。

厚揚げの上に「明太子」や「チーズ」をのせて焼いて、さらに「ねぎ」「海苔」の五重奏。
生わかめと「舞茸」を炒めて、「オイスターソース」をひと回し。

豚肉ともやしに「えのきだけ」を加えて炒め、「キムチ」「コチュジャン」で辛口うま味仕上げ。

ゆで卵に「ピクルス」、さらにマヨネーズでタルタルゆで卵。

◆その3:居酒屋メニューを思い出してみる

カフェでもファミレスでもよいのですが(笑)、おつまみって、家で作りたくなるような“うま味系トッピング”レシピが多いですよね。
 

じゃがいもの「明太子」炒めとか、大根サラダ(「かつお節」と「刻み海苔」と「じゃこ」がのっている)とか、ほうれん草の「カリカリベーコン」のせとか、とろ~リ「チーズ」餃子とか、豚肉のしそ巻き「チーズ」揚げとか、ミートソースごはんに「トマト」「チーズ」「ポテトチップス」みたいな……。“うま味系トッピング”の宝庫ですね。参考になります。

それから、ねぎや生姜、にんにく、にら、みょうが、しそなど、旬の香味野菜を料理にちょいちょい加えてみると、予想外のうま味マジックに出会えたりしますので、ぜひお試しください。

ちなみに、最近では、“うま味”の健康効果も注目されているとかで……。
そのお話は、また後日。

【参考】
・『「うま味」パワーの活用便利帳』(青春出版社)
・特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター
[http://www.umamiinfo.jp/]
・日本うま味調味料協会
[https://www.umamikyo.gr.jp/index.html]
 

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。