木曜9時は、TBSとテレ朝でドラマが被っている。テレ朝の木曜ドラマは、米倉涼子主演の『ドクターX』が当たり、最近は気軽に見られるエンタメ系の作品で高視聴率を狙える枠に成長。
一方、TBSの木曜9時枠は、2012年の春以降、平均視聴率が2ケタに乗る作品が出ず、昨年秋に放送された『夫のカノジョ』は、平均3.8%という低い数字を記録する事態にまで陥ってしまっている。
そんな木曜9時対決が、今期はちょっと面白いことになっている。『MOZU』と『BORDER』という、かなり力の入った2作品がぶつかっているからだ。さて、みんなはいったいどっちを見ている?
『ダブルフェイス』に続くWOWOWとの共同制作
TBSが木曜9時に放送しているのが、WOWOWと共同制作している『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜』だ。
TBSとWOWOWが共同してドラマを作るのは、2012年の『ダブルフェイス』に続いて2度目。前作はスペシャルドラマとして“潜入捜査編”がTBSで、“偽装警察編”がWOWOWで放送された。今回はどちらも連ドラで“Season1~百舌の叫ぶ夜”がTBSで、“Season2~幻の翼”がWOWOWで放送されることになっている。
『MOZU』は、3人の警察官がそれぞれの立場で、ある爆破事件の謎に迫っていくところから話が始まっている。そのうちの2人を演じる西島秀俊と香川照之は、『ダブルフェイス』にも出演していた。
西島秀俊は『ダブルフェイス』で暴力団に潜入する神奈川県警の警察官だったが、今回は警視庁公安部の警部。香川照之は逆に警察に潜入する暴力団員だったが、今回は捜査一課の警部補。そしてこの2人に公安部の巡査部長を演じる真木よう子が加わって、『MOZU』のSeason1はスタートしている。
監督の羽住英一郎をはじめ、スタッフはほぼ『ダブルフェイス』のメンバーなので、『MOZU』も『ダブルフェイス』と同じように見応えのあるスタートは切れた。初回の視聴率は13.3%。この枠の視聴率が2ケタを超えたのは、昨年春に松田翔太が主演した『潜入探偵トカゲ』の最終回以来のことだ。それだけ注目度も高かったということだと思う。
ただ、その後は少しずつ視聴率を下げ、4話では10.3%。これくらいの下げ幅なら、とくに内容が悪いというわけではないと思うが、気になるのはやっぱり喫煙シーンだ。
西島秀俊が演じる倉木警部も、香川照之が演じる大杉警部補も、どちらもヘビースモーカーの設定で、ドラマ内ではかなりタバコを吸うシーンがある。レストランで食事をしている最中にもタバコを吸うくらいなので、嫌煙家の視聴者にはそれだけで不快に思われているかもしれない。