駅ナカのブースで仕事せず愛人と楽しくおしゃべり

夫は約束通り、その女性と別れたのでしょうか? 答えはNOです。

話は変わりますが、コロナ禍では人と人との接触を避けるためリモートワークが推奨され、その流れは今でも続いています。例えばステーションブース。これは駅ナカに設置された個室ブース型のシェアオフィスです。約1メートル四方の部屋に机、椅子、そしてWi-Fiが完備されています。人に見られたくない場合、密室として使えるのが便利です。

あろうことか、夫はこのステーションブースで不倫をしたのです。直接会うと誰かに見られる危険が常にあります。ステーションブースは仕事での利用を想定した作りですが、不倫デートをすることも可能です。夫は女性とビデオ通話でつながり、画面越しに会話を楽しんでいたのです。

夫には家庭があるので時間が限られます。すでに一度、野乃花さんに見つかっているため、まとまった時間を確保するのは危険です。ちょっとした隙間の時間を利用し、ステーションブースの中で女性とつながっていたのです。

なぜ、野乃花さんはそのことに気付いたのでしょうか? なんと夫はご丁寧にビデオ通話の映像をスマホに保存し、さらにその内容をパソコンに同期していました。野乃花さんは夫がパソコンをつけっぱなしで風呂に入るのを見逃しませんでした。同期専用のフォルダの中にビデオ通話の内容を保存したファイルを見つけたのです。そこには甘い言葉をささやき合う2人の姿がありました。

コロナ禍において自宅でリモートワークするのは日常でした。仮に野乃花さんが不在の間に彼女とリモートで会話をしても、「消しておこう」という頭が働くでしょう。しかし、ステーションブースはすべての駅に設置されているわけではなく、まだ非日常です。ステーションブースを予約しブースに入り、リモートで会話し、最終的に退席するという手順にまだ慣れていなかったのでしょう。

最初は「消さないと」と思っていても、途中でそのことを忘れ、データを消さないまま帰宅したのかもしれません。

夫は「たまたま近くに簡単に体の関係を持てそうな相手がいたんだ。彼女は僕に妻がいることを知っているし、いつまでも続くとは思わず、軽い気持ちだった」と懺悔しますが、さすがの野乃花さんも夫のことを二度も信用できませんでした。

なぜなら、二度あることは三度あると思ったからです。そのため、夫の謝罪を受け入れず、離婚を決断したのです。

一般社団法人・日本家族計画協会家族計画研究センターが2020年に調査した結果によると、既婚男性のうち、30代は72.6%、40代は67.5%が「不倫をしたことがある」と答えています。どの家庭も例外ではないので「うちに限って」と他人事のふりをするのは危険です。

しかし、非日常の生活で「夫の秘密」に気を配るのは大変でしょう。すぐにできることは、まずは夫のスマホの使い方を確認することです。

最近夫の様子がおかしいようなら、チェックしてみてください。

1980年生。国学院大学卒。行政書士・FP。離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、会員は6千人を突破。バナナマン設楽さんの「ノンストップ」、明石家さんまさんの「ホンマでっかTV」、EXITさん初MC「市民のミカタ」などに出演。「STORY」「AR」などファッション誌にも登場。著書は「婚活貧乏」など11冊。