「子どもが3人いる我が家は毎日慌ただしくて、夫婦でゆっくり話す時間もないし末っ子と添い寝する妻とはずっとレスが続いており、夫婦の関係として不満はありました。
仕方がないとわかっていても、同僚たちと浮気の話をしていると『一度くらい許されるよな』とつい頷いてしまい、家に帰ってから同僚の使っているマッチングアプリに俺も登録してしまい。
同僚は『既婚者と書くと女性から返事がもらえないからボカすのがコツ』とか言っていて、でもそれって騙すことだよなと悩みましたね。
結局プロフィールには結婚していると書いて、『友達募集』としました。
『浮気相手を探すわけじゃないし』『女性と話すだけなら』と軽い気持ちでしたが、割と詳細に自分のことを書いたせいか、複数の女性からメッセージが届きました。
明らかにサクラと思われる人もいたけど、同じ地元でお店や道のことなどを書いている女性がいて、『この人は大丈夫だろう』と返信したらまたメッセージをもらえて、それからやり取りが始まりました。
向こうは独身で彼氏募集中、『俺は結婚しているけど大丈夫なの?』と送ったら『今は遊びたい気分で』と返ってきて、気軽にいろいろな話ができて楽しかったのです。
既婚とわかっていて話してくれるという安心感があって、つい妻への不満や生活の愚痴など吐いてしまって。
おかしいと思ったのは、3日ほどやり取りを続けたらマッチングアプリから出て話すことを提案されて、それはもちろんいいけれど女性が別のサイトを指定してきたこと。
『次からここで話したいな』と言われたけれど、そこもマッチング系で男性が課金する仕組み、無料で使えるLINEやほかのツールもあるのにそれを言ったら『よくわからないから』とすぐ話題を切られて、そのときに『詐欺かも』とハッとしました。
俺の話を嫌がらずずっと聞いてくれて、『まだまだ魅力があるのにね』と返してくれるから調子に乗っていたけど、本当に俺に好意があるなら別のサイトに課金させることはしないのでは、と思いました。
『登録しなかったらどうなるの?』と試しに聞いてみたら『もう私とは話せなくなるけど』と返ってきて、出会ったマッチングアプリも使いたくないと言うし、関係の主導権を向こうが握っている状態でした。
そこまで考えたら気分が一気に萎えてしまい、『またここで話したくなったらメッセージをちょうだい』と送ったらそれ以降女性からの返信はなくなりました。
現実はこんなものか、と思うと情けなくて、正気に戻れてよかったとため息をつきましたね。
向こうは、こっちが既婚で妻に不満を溜めているから自分になびかせて何かを企んでいたのだと思います。
間違った目的でマッチングアプリなんかするとこんな目にあうのだ、と勉強になりました」(45歳/営業)
現実に不満を持つ人を狙っておかしなビジネスを仕掛ける人はどこにでもいますが、既婚者の場合は出会いがマッチングアプリだと真実を言いにくいため、特に罠を仕掛けられる可能性が高くなります。
別のサイトに誘導された時点で異常さに気がついたのは、まだ理性が残っていた証拠であり、そこで終われたのは幸運だったといえます。
浮気のような下心はこんな利用をされるときもあり、妻との関係を良くしていくほうがずっと健全で前向きですよね。