中島健人が主演するドラマ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」が毎週金曜夜8時からテレ東で放送中だ。同名漫画を実写化した本作は、変わり者の主人公・保田理弁護士(中島)が「しょせん他人事」をモットーに、社会問題にも発展しているネット炎上やSNSトラブル案件を解決していくリーガルドラマ。
3月末でグル-プを卒業した中島にとってソロ始動後、初出演ドラマとなる本作。中島がドラマの魅力や自身のSNSとの向き合い方、グル-プ卒業後の心境などを語ってくれた。
-本作は中島さんにとってソロ始動後初のドラマ作品となりますが、心境はいかがですか。
ソロになって1発目にふさわしい題材のドラマになったと思います。僕自身が今までいろんな言葉を受け止めてきたので、今このドラマをやることは自分としても深いメッセージを込めることができると思いました。この作品ではSNSで軽はずみに発信してしまった言葉が、言われた側の人たちにとって悲しい終わり方をしてしまう結末がたくさん描かれているので、視聴者の方にも、ぜひSNSと優しい関わり方をしていただけたらいいなと思います。
-制作会見では、「自分の経験がフルに生かせる作品になった」という言葉もありました。
アイドルの中島健人、GEMNの中島健人、俳優の中島健人と、今自分のいろんな面を過ごしている中で、アイドルという立ち位置においては、言葉の柔らかい部分も尖った部分も、賛否を受け止めながら人生を歩まないといけないと思っています。僕自身が事務所に16年間所属して、それを背負いながら生きていく中で、賛否が起こらなかったときは、ほぼないんです。個人的には、この1年は僕がその賛否を深く濃く経験した1年だと思っているので、このドラマの脚本を読んだときに、今の自分にものすごく近い現状だと思いましたし、共感する部分が多くありました。
-中島さんが演じている新世代の弁護士・保田理の魅力をどんなところに感じますか。
僕は物事に対して入れ込み過ぎたり、考え過ぎてしまう癖があるのですが、保田弁護士は「しょせん他人事じゃない?」と何事も考え過ぎず、フラットに接して、人生を生きていく方が楽しいでしょうという考えの持ち主です。“自分は自分”であり、手のひらの中のSNSの社会に惑わされずに、自分の人生を生き抜くことがいかに大事かということを教えてくれた役柄なので、僕にとっては、このタイミングで、この役にたどり着けたのは俳優としても転機だと思いますし、保田弁護士のようなドライでポップな性格は、芸能界という場所を生き抜くうえで必要なメンタルだと思うので、そういうところに魅力を感じています。
-劇中では保田弁護士が「しょせん他人事」をモットーにSNSトラブルに向き合っていますが、中島さんご自身のモットーや大事にされてる考え方があれば教えてください。
「思い立ったが吉日」です。やりたいことを「まだいいか」と先延ばしにして1カ月後、1年後、5年後…と時間が経っていくよりも、今日やった方がよくない? と思うタイプですし、やらずに後悔する1カ月や1年を過ごすよりも、たとえ失敗しても今やって後の成功につなげた方がいいと思うので…。人生は1回しかないので、後悔のない日常を日々過ごしていきたいなと思っています。
-SNSで誹謗(ひぼう)中傷する人の中には、他人がうらやましいとかねたましいと思ってしまう心から書き込んでいる人もいると思います。中島さんがそういう気持ちを他者に抱かないために、心を穏やかにするために気を付けていることはありますか。
いや、バラにもトゲがあるように、僕の中にもトゲはあるので、そういう気持ちを抱かないことはやっぱり無理だなと思います。だからそこを触らないことなんじゃないかな。デジタルデトックスという言葉もありますが、ネガティブな言葉がダメな人は、そういうものを目に入れない方がいいと思います。僕はInstagramをよくチェックしているのですが、ちょっと変なものあるなと思ったら見るのを止めています。
SNSは不健康になるために見るものではないですし、ワクチンのように最初にウイルスを入れて、それに体を慣らすという考え方もありますが、今はネガティブなコメントはワクチンにもなっていない気がするので…。一度、限界点が来たらSNSは閉じて、時間が経ったらまた戻って来ればいいですし。今はSNS社会なので、SNSとのいい付き合い方をして、自分は自分、人は人という基本的概念や理念はきちんと持っていてほしいです。
-最後にファンの皆さんに、今伝えたいメッセージはありますか。
皆さんのポジティブな言葉は僕の中ですごく栄養になっているので、その恩返しができたらいいなと思います。僕は4月から新しい環境に身を置いているので、驚いてる方もいらっしゃると思いますが、新しいことに常にチャレンジしたいですし、その先に切り開かれる新境地にファンの皆さんと一緒に飛び込んでいけたらと思っています。俳優として1発目になるこのドラマは、痛快でポップで元気になれる作品なので、今年の夏はこの作品と一緒に走り抜けて楽しんでもらえたらうれしいです。
<取材・文/小宮山あきの>