「自分のことばかり優先してろくに家族を大切にしない元夫とは、ずっと仮面夫婦状態でした。

離婚を決めたのは、家事もしないくせに『俺の金があって生活できている』とふんぞり返る姿に本当に嫌気がさしたからで、子どもたちも夫に懐いてはいなかったですね。

『この子たちが無事に就職したら離婚を』と考えていたので、正社員の仕事は何としてでも続けようと思い、少しずつへそくりのようなものも貯めていました。

次女の就職が決まり、もういいかと思い離婚を切り出したら、元夫はOKはしたものの揉めたのが財産分与。貯金や生命保険の返戻金などを折半するのを元夫は嫌がり、『離婚を言い出したのに図々しい』と、はした金みたいなもので私を追い出そうとしていましたね。

仕方なく弁護士に相談して、『法律で決まっているから』と結果を伝えて詰めたら、渋々折半を承諾しました。偉そうな人間って、自分より強い肩書きや権威のある人間の言葉には弱いんですよね。

これで離婚できると思っていたら、『クルマは俺の名義だから置いていけ』と言われてびっくり。名義はそうだけど、今までずっと私が通勤や買い物用に乗っていたもので、取り上げられたら途端に生活に困ります。

『名義を変えればいいじゃない』と抵抗しましたが、『今まで税金を払ってきたのは俺だから』と元夫は譲らず、これでこじれたら離婚が遠ざかると思い、仕方なくキーを渡す約束をしました。

離婚したら実家に戻るつもりで手配も整えていて、子どもたちにも離婚することを伝えて『わかった』と言われていたのに、こんなことでつまずくなんて、元夫が憎かったですね。

家を出る前にクルマを購入せねばならず、余計な出費になったのと離婚が遅れたのと、本当に大変でした。

でも、元夫が税金を払っていたクルマなんて、返して正解だったのかもとすっきりした今は思っています」(50代/人事)

配偶者から切り出された離婚が気に入らず、財産分与で嫌がらせのようなことをする人は実際にいます。

名義と使ったお金を盾に生活に必須の足を取り上げられるのは、本当に悔しいですよね。

でも、結婚生活の痕跡が残るようなものは、いっそのこと手放してしまうのも自分のためかもしれません。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line