スティック型の形状が特徴的なNo.が美容家電ブランド「Noend」から展開している「エアーブロースティック」(筆者撮影)

高級化の進むドライヤー市場では、各社がさまざまな工夫を凝らした新しいタイプの製品が登場してきている。そのなかで形状の工夫でドライヤーの革新に挑戦しているのが、日本のスタートアップものづくり企業であるNo.(ノードット)だ。同社が展開する美容家電ブランド「Noend(ノーエンド)」の「エアーブロースティック」は、まっすぐなスティック形状を採用したドライヤーで、風のパワーを最大限に生かしたヘアケアを実現している。今回はエアーブロースティックを実際に使ってみて、良かったところを紹介していきたい。

ポイント1:速いのにツル髪!風力&イオンの恩恵が凄い

形状の特異性が目立つエアーブロースティックだが、特筆すべき点がもうひとつある。それが超パワフルな風速&風量だ。

風速は最大62メートル/秒、風量は最大3.05立方メートル/分といずれも業界最大クラス。「熱ではなく風の力によって髪を乾かす」というコンセプトで開発しており、すばやい乾燥とダメージの軽減を両立している。

多彩なモードを搭載しているのもポイントだ。風速は3段階で、風温は4段階調整が可能。カラーキープモード(60℃)/スカルプモード(90℃)/ツヤモード(120℃)/コーディングモード(冷風)/温冷循環モードがあり、幅広い用途に応じて使い分けができるのもうれしい。

筆者はできるだけすばやく乾かすことを重視しているので、最大風速/ツヤモードを主に使用した。エアーブロースティックは送風口も特徴的で細いスリットのような形状になっている。幅広い範囲に集中的に風を送れるので、効率的に髪を乾かせている実感があった。

例えとして適切かどうか分からないが、アプローチは洗った手についた水滴を瞬時に飛ばすトイレのハンドドライヤーに近い。送風口の形状もあって、駆動音も通常のドライヤーより少し高い。

今回のレビューでは妻にも使用してもらって感想を聞いたが、乾燥した後の髪の仕上がりにも満足しているようだった。エアーブロースティックは独自のイオントリートメント技術を搭載しており、乾かすだけでツルっとしたツヤ髪に整えてくれる。速さと質の両立が高い満足度につながっている。

ポイント2:見た目以上に軽量!ハンドリングが快適

現在市販されているドライヤーの大半は、風を生み出すファンを搭載する部分が持ち手に対して大きくなっており、L字の形状をしているのが通常だ。

最近は本体のふくらみを抑えてよりスリムにすることで軽量化に取り組んでいるモデルも増えているが、まったくでっぱりのないストレートなドライヤーともなれば軽さが際立っている。

一般的に600g以下だと軽量ドライヤーとみなされることが多いが、エアーブロースティックは約330gと業界水準からみてもかなりの軽さだ。重厚感のあるダークメタリックなカラーなので、とりわけ手に持ったときのギャップには驚かされる。

実際に乾かしているときの取り回しの良さも上々だ。髪の毛を乾かすときは、キューティクルの流れに沿って上からドライヤーをあてることが良いとされるが、エアーブロースティックは本体と送風口の形状のために、上からドライヤーをあてやすい。

あまり意識せずとも正しい乾かし方ができるので、見た目によらず万人に使いやすいドライヤーと言えそうだ。

ポイント3:無駄がないフォルムなので持ち歩きにも最適

最後にスティック型のシンプルな利点として、持ち歩きに適していることを挙げたい。一般的なL字型ドライヤーと比較して、エアーブロースティックは無駄のないフォルムをしているので、リュックやキャリーバッグにも収納しやすい。内ポケットなどに挿し込めるのも便利だ。

トラベル用のドライヤーは小型ゆえにパワー不足というジレンマがあるが、エアーブロースティックなら据え置き用と持ち歩き用を兼ねることができる。現時点では国内専用モデルしかないが、ぜひ海外対応モデルの登場にも期待したい。

形状がユニークなので玄人向けの製品のように考えていたが、実際にはシンプルで使い方も分かりやすため、ドライヤーにそこまでこだわりのない人にもおすすめできるモデルだと感じた。

変わり種の製品で、かつ3万4800円と高価格帯ということを考えると、少し購入には勇気が必要だが、もし同じ価格帯の製品の購入を検討するなら選択肢に加えるのはありかもしれない。(フリーライター・小倉笑助)

小倉笑助

家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中

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