人を好きになったときや幸せを感じたとき、なんてことない毎日が急に楽しくなるのは、誰しも心当たりがあるはず。恋愛なら好きな人と手が触れた、恋人から誕生日プレゼントをもらったなど、思いがけないハプニングが気分を高揚させますよね。

ほかにも好きな焼き肉をお腹いっぱい食べた、仕事終わりのビールなど、ホッと一息つく瞬間に幸せを感じる人も多いのでは? すべては自分の好みと意志によって、“楽しい気分が作られている”と思いがちな私たち。

ですが、これら人を好きになる気持ちや幸せと感じる瞬間も、実は私たちの知らぬところで脳がそういう指令を出しているから、って知っていましたか? 今回はそんな脳が影響を与えている恋愛、幸福感の一部についてご紹介します。
 

脳が密かに読み取っている異性の感情シグナルって?

よく「モテる男女はフェロモンがすごい」なんて言い方をされますよね。もっぱら私たちは「異性を惹きつける色気」として使っていますが、元々フェロモンは虫や動物がコミュニケーションとして用いている物質といわれています。

というのも、人はフェロモンを感知する鋤鼻器が退化しているため、フェロモンが使われる機会はほとんどないのだそう。とはいえ、それに近い役割としてよく挙げられるのが人の体から発せられる汗であり、体臭です。あなたも「恋人の相性は体臭でわかる」なんて謂れを耳にしたことはありませんか?

 

 

実際、デュッセルドルフ大学のパウゼ博士が行った研究でも、似たような結果が報告されています。なんでも試験を控えた大学生49人を対象に試験直前の緊張した状態で流した汗と、ジムの運動で流した汗を別の学生に識別してもらったところ、その正解率は51%だったそうです。

ところが脳の反応を観察したところ、不安状態で流した「緊張の汗」とスポーツで流した「爽やかな汗」を人はきちんと区別できていた、という結果が判明したのです。つまり嗅覚では判断できなかった識別も、脳内ではきちんと相手の感情を読み取っていたと言えますよね。

モテる男女に恋愛フェロモンがあるとすれば、それは当人の自信や前向きな行動力が「汗」という匂いによって、異性を知らず知らずのうちに惹きつけているのかもしれません。それこそ運動している異性は魅力的に映るので、モテ要素としても申し分ないのではないでしょうか。