物事にはすべてはじまりがある!
当たり前のことではありますが、今、私たちが普通に食べているものや飲んでいるものは、いつ、だれがこの日本に広めたものなのでしょう。
そんな疑問を解消すべく、色々な食べ物の初めてストーリーを調べてみました。
アイスクリーム
1年中美味しいけれど、この時期には欠かせないアイスクリーム。さて、その起源は、そして、日本にはどうやって広まったのか見てみましょう。
<起源>
乳製品を天然の氷や雪で冷やして食べる習慣は紀元前よりあったと見られており、当初は乳や蜜に氷や雪を加えて飲んだものと言われています。
もともとは3,000年以上前に中国で作られたお菓子であり、それをマルコ・ポーロがイタリアに伝えたという言い伝えもあるようですが、現在のアイスクリームの原型は、16世紀にアジアで開発され、1686年にはアイスクリームがパリで売り出されて大流行しました。こちらは冷たいボウルの中で手作りされていたため、実際にはシャーベットのようなもので、製造も困難であったと言います。1846年にアメリカで手回し式アイスクリーム製造機が開発されてから、今のように滑らかな食感のアイスクリームとなりました。
<日本にはどうやって広まったの?>
日本人で初めてアイスクリームを食べたのは、1860年にアメリカへ渡った遣米使節団の一行だったと言われており、その時に一緒に渡米した幕府の役人だった町田房造は製氷技術を学んで帰り、明治維新後の1869年(明治2年)、横浜で日本人として初めてのアイスクリームの製造・販売を始めました。しかし、値段が高かったため、庶民の口にはなかなか入りにくいものでした。
大正時代に入ると、生活の西洋化が進みました。科学技術も進歩し、1920年(大正9年)には富士アイスクリーム、続いて明治乳業がアイスクリーム工場の生産を開始し、その3年後には自助園牧場の佐藤貢がデパートや駅での販売を開始してから、庶民の口にも入るようになったのだそうです。
1935年には北海道製楽販売組合がカップアイスを、1955年には協同乳業が後にホームランバーとなるくじ付きアイス「アイスクリームバー」を、1963年には江崎グリコが「グリココーン」を発売し、これがコーンアイスの先駆けとなりました。現在では、スーパーやコンビニエンスストア、自動販売機で気軽にアイスクリームを購入できるほか、アイスクリーム専門店なども数多くできており、子どもから大人までこの季節には欠かせない存在となりました。