【番外編】
ここからは番外編として、夏とは関係がありませんが、日本で当たり前に広まっている食文化について、起源をちょっと覗いてみましょう。
学校給食
日本での食事の提供は、歴史的には平城京でのの宮廷人に対するもの、東大寺大仏殿建立の際の人夫への給食、鎌倉時代のの僧院におけるものなどの記録がありますが、「日本人はじめて百科2 食べ物・飲み物を作った人」によると、日本の学校給食は、1889年(明治22年)、当時の山形県鶴岡町の大督寺境内にあった忠愛小学校で始まりました。常念寺住職の佐藤霊山というひとが、昼食を持参できない児童が多いことを知り、弟子の僧たちとともに家々を回って米を集めて児童の昼食を賄ったというのが始まりです。
1919年(大正8年)には、東京がパンによる一斉給食を開始。1932年(昭和7年)に、政府は「学校給食臨時施設方法」を定め、給食を実施するようになり、1954年の「学校給食法」施行により、児童たちは今のように全国で給食を食べることができるようになりました。ちなみに、日本初の給食の献立は、おにぎり、焼き魚、漬物であったと言われています。
駅弁
日本最初の駅弁は、現在の東北本線宇都宮駅にて白木屋嘉平という人が発売したとされています。1885年(明治18年)に日本鉄道株式会社が上野と宇都宮間に鉄道を開通させますが、その工事中に工事関係者にお弁当を作って出していた白木屋が、鉄道会社の依頼で駅弁を販売したことが駅弁のはじまりでした。
最初の駅弁は竹の皮に包んだおにぎり2個とたくあん2切れというもので、1889年になると、当時の山陽鉄道の姫路駅で現在のような幕の内弁当が登場。1899年には東海道本線大船駅でサンドイッチも発売されました。
駅弁のホームページでは、駅別や季節別の駅弁を見ることもできます。また、デパートでは駅弁大会などが開かれ、全国の駅弁を購入することができ、人気の催し物となっていますね。
おまけつきのお菓子
おまけ付のお菓子。今では、食玩などと食べ物よりもそのおまけの方がメインであるお菓子もありますが、初めておまけつきのお菓子が販売されたのは、1922年(大正11年)のことでした。
江崎グリコ創業者の江崎利一は、漁師が牡蠣を煮込んでいる光景を見て、牡蠣に含まれる重要な要素である「グリコーゲン」を商品に用いることを思いついたのだそう。1922年に当時人気上昇中だったキャラメルの中にグリコーゲンを練りこんだ「グリコ」を発売し、おまけとして絵カードがつき、これがおまけ付お菓子のはじまりです。1927年には、おもちゃのおまけ付の「グリコ」が発売されました。
普段、何気なく食べている食べ物や飲み物。その中でも、夏に比較的多く食べられたり、好まれる食べ物にスポットを当て、その起源をまとめてみました。私たちの生活に当たり前に根付いている食文化にも、「はじめて」は必ずありました。
そういった、食べ物や飲み物などをはじめ、物事のはじまりを知ることで、その時代や歴史、経済や文化に思いを馳せることができます。歴史を知れば、なんだか、食べ物に深みも感じるような・・・。
たまには、身近なもの、気になったものについてし食べてみると新しい事実を知ることができ、楽しいとですよ。
みなさんも日々の疑問について是非、調べてみる時間を取ってみてはいかがでしょうか。