各ミュージシャンが提供をした楽曲もロック、ファンク、テクノ、ハウス、ヒップホップ、歌もののポップミュージック…と、まるでロックフェスティバルの様に色々なジャンルが取り揃っています。そして、それが、決して作品と乖離せずに『スペース☆ダンディ』の世界にマッチングをしているのも凄いところ。

ZEN-LA-ROCKのスペーシーな電子音や、Mountain Mocha Kilimanjaroのファンキーなサウンドは、SFコメディな本作のイメージにピッタリですし、劇中でもメインテーマの他、様々なシーンで使用頻度の高い☆Taku Takahashiによるアッパーなダンス・ミュージックは、スピーディーなアクションシーンとの相性も抜群! かしましくも楽しく、そして、多彩な音楽が『スペース☆ダンディ』を彩ってくれるのです。
 

あなたはいくつ見つけられる?名作のパロディやオマージュ

その音楽のセンスの良さに加えて、映画のパロディやオマージュが沢山登場をするのもポイント。

例えば、ジョージ・A・ロメロのホラー映画史における不朽の名作『ゾンビ』を丸々パロディにしたエピソードでは、『ゾンビ』に登場をするショッピングモールが舞台として描かれていたり、エレベーターが開いた途端に襲い掛かってくる死者の群れ……といった名場面が本家への愛情たっぷりにパロディにされています。

またダンディが一人ぼっちの宇宙人の女の娘と彼女の家族を探して旅をする……というシリーズ屈指の感動エピソード<旅は道連れ宇宙は情けじゃんよ>では、ロードムービーの傑作『パリ、テキサス』を思わせるシーンや、あの映画の中で流れるスライド・ギターの感傷的な音色がオマージュをされていました。

他にも『バグダット・カフェ』『(500)日のサマー』の様なミニシアター系の映画のパロディなどなど、映画ファンならば思わずニヤリとしてしまうネタが劇中に仕込まれており、作品に独特な情感を与えてくれているのです。

アニメのクリエイターや声優、音楽のセンスの良さや映画作品へのオマージュ……などなど。『スペース☆ダンディ』は、アニメファンやSFファンは勿論のこと、音楽ファンや映画ファンにアプローチを出来る非常に魅力的な作品だと思います。今からでも、ダンディ達が繰り広げる宇宙冒険の世界に飛び込むのは遅くありません。皆で、この全力でいい加減な作品を楽しもうじゃんよ!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。