次に「コーヒー」チームによる同じストーリーを拝見。ん、これは…全然違う!まず、物語の軸になる海咲&潤のコンビを演じるのが、ワイルドなまでにパワフルな布施日花梨さんと、イケメンなほどにカッコいい松永ミチルさんなんですが、もうこの二人がすごいんです。貫禄すら感じさせるコメディエンヌぶりで、掛け合いのスピード感が心地よい!
さらにそこに入ってくる野々村りみ役の加藤梨里香さん、もう、いろんな意味で女子力たっぷりの山里香織役の望月瑠菜さんと来て、こちらの伊集院さくらは超絶に清楚なお嬢様、鈴木悠巴さん!この人だけマイペースだからさらにそのズレが際立ち、目立っていく…。面白い…チームによって味わいが全然違う!
ストーリーを加速させる藤堂真美役の山本さんは安定だし、途中から出てきて存在感たっぷりの表情を見せてくれる青山美郷さんはさすがリーダー!フロートチームと同じストーリーでありながら、役者さんの個性によってキャラクターが千変万化して、最終的な味わいもちょっと違って…。2チームだからこそ出来るこの多重的な味わいこそが、甘くてほろ苦いコーヒーフロート的だったりして。楽しい、楽しいですこの劇団!
いやはや、本当はもっと書きたいことがあったんです。開場から開演までの時間、出演していないチームのメンバーによる物販タイムがあることや、その間、ずーっと舞台となる喫茶店の椅子には役者さんがいること。上演前の前説は、舘岡潤役の役者さんが毎回趣向を凝らしてオリジナルのものを語ってくれること。お客さんが使うドリンクバーとスタッフさんが、開演するとそのまま舞台の一部になり、登場人物の一つになること…。
現実と虚構が表裏一体で、常に裏返る可能性を持っているのがこのお芝居なんです。そしてそれこそが、ストーリーの中核だったりして…。ともかく脳がフル回転するほど面白いこの公演、いやはや、見てよかった!
公演レポートだけでは物足りません。ここはひとつ、キャストの皆さんにもお話をお聞きしなければ!今回は、コーヒーチームの中から5名の方にお越しいただき、自己紹介や今回の公演についての感想や思い、そして今後についてうかがってきました。演じることに熱心な、爽やかなインタビューになったかと思います。どうぞ!
――では、リーダーから自己紹介をお願いします。よろしければ趣味や特技も教えてください。
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青山「はい、青山美郷、19歳です。私が好きなのは、ノートにメモをとること。習慣、生活の一部になっています。大事だな、と思ったこととか、気付いたことを書きとめています。あとは、電車の中で気になったいろんな人を良く観察して、「この人はこんな家族構成じゃないかな?」とか、「この人の目的地はどこだろう?」とか考えるのが好きです(笑)。」
――おおー、想像力豊かですね!今回の公演はいかがでしたか?
青山「周りの人に支えてもらって、千秋楽を迎えることが出来ました。みんなの力を借りながら、結束力が強くなったような気がします。」
――今回は、途中からの登場する役どころ(金山風香)でしたよね。
青山「これまで、ずっと出ずっぱりの役をやっていたんです。今回みたいに後半から入るのって、結構怖いなって気づきました。もうすでに流れが出来ている中に、自分が入っていくので…。途中から入る人によって、空気が変わってしまいますよね。それがちゃんと出来るかどうか心配でした。」