空前のグループアイドルブームが続く中、もう一つの大きな流れが迫っています。それが「美少女×演劇」の流れ。今やチケット入手が困難になった乃木坂46の「16人のプリンシパル」公演や、ハロー!プロジェクトの面々が演劇に挑戦する「劇団プロジェクト」、お芝居とライブを融合させた「PLAY×LIVE」公演でアイドル界に旋風を巻き起こした新生東京パフォーマンスドールなど、アイドルシーン×演劇という組み合わせは最早テッパン。

そして、現在注目を集めつつあるのが、アイドルシーンとは一線を画し、純粋に演劇のみで勝負する美少女劇団「劇団ハーベスト」。2012年の結成から着実に実力を高め、今年7月末~8月頭の公演「裏と表とコーヒーフロート」は連日満員御礼を連発!要注目の演劇集団に成長しています。

今回は劇団ハーベストの「裏と表とコーヒーフロート」をレポート、さらにメンバー5人によるスペシャルロングインタビューも敢行したボリュームたっぷりの特集になっています。もう劇団ハーベストにハマっている人も、少し気になっていた人も、今回初めて名前を知った、という方も、ぜひぜひお読みください!ではいってみましょう。

 

「裏と表とコーヒーフロート」レポ

今回の公演、同一内容でありながら「コーヒー」と「フロート」の2チームに分かれるチーム制を採用しています。

会場となったのは下北沢の「下北沢亭」というステージ風カフェなのですが、ここ、ものすごく面白いんです。カフェでありながら、そのカフェのフロア部分が舞台になり、客席になっているんですよ。カウンター部分は舞台側にあるので、そこも舞台の一部なんです。簡単に言うと、一つのカフェの半分が舞台という演者たちの空間になり、もう半分が客席になっているわけです。そしてその構造を活かしたストーリーというところも楽しい!

あらすじを簡単に書いておきましょう。高校時代に演劇部で先輩/後輩の間柄だったフリーター金山海咲(みさき)と、女子大生舘岡潤の二人は、下北沢のカフェでアルバイトをしています。そこに毎日のように通っているオタク系女子高生野々村りみから、彼女の愛するアニメ「ポップハート」の話を聞いていると、そこに潤と同じゼミに所属する山里香織が、そして超お嬢様の伊集院さくらと彼女の付き人、藤堂真美がやってきます。なにやら一波乱ありそうな気配…。

DVD等々でこれからご覧になる方のために、あらすじはここまでにしておきましょう。さらに登場人物は、海咲の妹である風香や、さくらの兄で伊集院財閥の御曹司、一男と増加して、舞台上は大パニック!あんなバタバタ、こんなワヤワヤ、そしてちょっとウルッとする展開もあったりして、ひと夏のストーリーが語られていきます。コーヒーフロートがどんな役割を果たすのか?それは見てのお楽しみ、ということで…。

 

 

今回まず拝見したのが「フロート」チームだったのですが、中心となる海咲&潤コンビがともかく美しい!吸い込まれそうな瞳の久保田紗友さんと、きりっとした眼差しと愛嬌のある表情がステキな広瀬咲楽さんのコンビは並び立つだけで絵になります。

大きなメガネをかけた野々村りみ役の宮武佳央さんは、エネルギーをパッと出したり、すぐに引っ込めてしまったりするオタク少女役を好演していたし、登場人物みんなを振り回す山里香織を演じる川畑光瑠さんはまさに魔性。

 

 

そして、超お嬢様の伊集院さくらは本当に「この子、大丈夫?!」と声をかけたくなるほどポワポワした印象で、演じる弓木菜生さんの個性が光ります。彼女に付き添う藤堂真美役の山本萌花さんはしっかりチャキチャキ!エネルギーいっぱい。意志が強そうな顔立ちの高橋紗良さんは、海咲の妹、風香を熱演していて…。名前が沢山出てきて、初見の人には申し訳ありませんが、一度ご覧になった方ならわかるはず!あのアンサンブル、最高ですよね。

波瀾万丈の展開を経ながら、ラストはなんだかホッと一息つくような優しい気持ちになって終わるストーリーで、さわやかな気分にさせてくれます。この感じ、とってもいいですね!リピーターが増加しているのもうなずけます。