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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
横浜市の「学力・学習状況調査」で、小学生の応用力が低下しているという結果が! 教育委員会の対策は? そもそも、どんな問題を解いているの?(はまれぽ編集部のキニナル)

 

応用力が低下?

横浜市教育委員会(以下、市教委)が市内の全小中学校を対象に毎年行っている「横浜市学力・学習状況調査」の結果がまとまり、2013(平成25)年度の小学校6年生の理科の「活用」問題の正解率が前年度の64.8%に比べて半分以下となる30.5%にとどまったことが分かった。

小学6年生の昨年度と一昨年度の正答率比較(%)
市の力・学習状況調査

調査は児童生徒の学力や家庭での学習時間を調べるもので、横浜市は2005(平成17)年度から市内の全中学生、2006(平成18)年度からは全小中学生を対象にした独自の調査を実施。国語、算数(数学)、社会、理科、外国語(英語)と、全教科で行っている。

市は調査の結果を分析し、各教科について指導方法などの授業改善や教育課程の見直し、市教委による各学校への指導・支援といった教育施策の改善に役立てる。

市は調査の結果を分析した結果、「正答率7割という目安を達成していることから、基礎的・基本的な知識はほぼ定着したが、複数の資料や文章から必要な情報を取り出して論理的に記述することに課題が残る」とまとめた。

中学3年生に関しては「外国語において、自分の言いたいことを適切に表現する力に課題がみられる」との見解を示したが、活用能力が向上していることを挙げ、「市が小学1年生から取り組んでいる英語教育の成果ともいえる」と話した。

中学3年生の昨年度と一昨年度の正答率比較(%)

文部科学省でも小学6年生と中学3年生を対象に、2007(平成19)年度から国語・算数(数学)、理科(2012<平成24>年度)で「全国学力・学習状況調査」を実施しているが、横浜市はそれに先駆けて調査を行っており、一定の効果が表れているという。

 

全国調査における小学6年生の横浜市と全国の正答率比較(%)
全国調査における中学3年生の横浜市と全国の正答率比較(%)

上記2つの表は2013(平成25)年度に実施された「全国学力・学習状況調査」の結果だが、横浜市が全国平均より小学生、中学生ともに全国平均を上回っていることが分かる。
 

「結果もそうだが、結果の活用が重要」と石川指導主事

市教委指導主事室の吉原昌子(よしはらしょうこ)室長と石川博・指導主事は「問題の難易度は年ごとに違うので一概に比較はできないが、児童生徒がどういった問題でつまずいているかを把握し、それをどう改善していくかを把握することが重要。テスト問題の作り方や、調査結果を今後の指導に生かさなければならない」と話している。