“ゆとり”や“デジタルネイティブ”、子供たちを取り巻く環境も年々大きく変わりつつあります。そのなかで、一貫して“生きぬく力”をテーマに子供たちを導き続ける高濱正伸先生に、子供のおけいこ、ゲームやスマホとの関わりかた、そしてこれからの教育についてお聞きしてみました。

 

<高濱正伸プロフィール>
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。1959年、熊本県出身。東京大学大学院卒。1993年に学習教室『花まる学習会』を設立。「カンブリア宮殿」「情熱大陸」等メディアにも出演し、教育や子育てに関する著書多数。

 

今残っている習い事は全部おもしろい

——最近は習い事やおけいこに通う子供も多いですが、なかでもオススメはありますか。

高濱:この厳しい業界で、今生き残っている習い事は全部おもしろいんです。生き残っているという時点でおもしろさは保障されてますね。

いちばんの理想は、学校から帰ったら、異学年の地域の子供達みんなで外遊びをするということができればいいんですが……。今はそういったことはないから、まず無理ですね。最近では、公園でもボール禁止、ペット禁止など規制だらけで、そのうち「公園で遊ばないでください」になるんじゃないかと(笑)。

子供はどんなことでも楽しめる

——すでに複数のおけいこをしているのに、さらに子供から「ほかのおけいこもしたい」とリクエストがあった場合はどうでしょうか。

高濱:それはどんどんやってみていいと思いますよ。あくまで子供が「やりたい」と言っているなら。向き不向きは確かにありますが、プロになるなど考えていなければ、やれば全部楽しめるのが子供です。

逆に、「行きたくない」と子供が言ったときに、お母さんの主張があいまいだと、「行きたくない」という権利を子供は主張し始める。駆け引きしているんです。本当に水泳がイヤだというわけではなく、不安を持っているだけで、行き始めたら楽しめると思います。
たくさんやっていても、本人が楽しければそれいでいいと思いますよ。でも、本人が嫌がってるのにお母さんが無理やり続けさせるのはマイナスです。

——我が子の話になりますが、4歳から始めた剣道を楽しんでいますね。

高濱:剣道はいいですよ、姿勢も美しくなりますし。理由はわからないのですが、不登校などで問題のあった子供達で、剣道で立ち直っているケースが多いんです。武道の中でも、なぜか「剣道ハズレなし」です。あ、剣道協会から1円ももらってないのですが(笑)。