ゲームで人間関係は育たない

——子供へのゲームやテレビの影響はいかがでしょうか。

高濱:ゲームは、特に男子が中毒になるんですよね。おもしろいし。
でも、大人になって困っていることの一番は人間関係。目を見て話す訓練をしなきゃいけない、この大事な幼児の時期に、ゲームばかりするというのは時間を無駄にしている。子供の時期にこそ、徹底して人間関係を鍛えなきゃいけない。

まだ計画段階ですが、親と離れて山の中に子供だけで生活するという企画を考えています。平日は山で毎日勉強し、土日は家に帰って家族と過ごす。自然の中で毎日遊べるし、人間関係も疑似兄弟の中で揉まれに揉まれる。そんなことを考えています。

——それはおもしろいですね。何歳ぐらいの子が対象ですか。

高濱:小学生を考えています。まだ実験段階ですが、そういう解決策がないと、都会のお母さん達は子供とゲームを切り離すのが難しいんですね。ゲームしている間はおとなしいから楽なんですよ。だから、ついゲームに子守りをさせてしまう。

 

スマホリテラシーを考える時代になってきた

——スマホもすごい勢いで普及していますからね。

高濱:時代もどんどん変わって、今まさにリテラシーについて考えなければいけない時期になっています。でも、親はよくわからないまま、スマホという“パンドラの箱”を開けてしまったという感じです。

スマホやネットを使い、小学生が女性の体などを当たり前に見ることができる。こういうものは秘密だからいいし、ロマンがあるんです。生々しいものを最初から知っているのは危険です。かといって、これからは使えなければ困りますから、“子供スマホ”というのも、ひとつのカギだと思います。

時代が完全に変わったのに、昔の話をしていてもしょうがない。答えはまだ出きっていないけれど、“スマホリテラシー”ということを考えていくべきですね。

ゲームの技術は教育にも応用できる

——教材でもタブレットなどのデジタルを取り入れてきていますね。

高濱:20年前から僕は言ってるんですが、ゲームの技術を教材開発に使ってほしいと。
デジタルだからできるメリットもたくさんあって、たとえば立体の裏側も見せられるし、何度も何度も勉強を反復でき、成績の管理も行える。それは、今度佐賀県武雄市で始める授業などにも応用できると思っています。

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