男性にできること(1) ちゃんと話し合うこと

男性が妊活について他人事になると、どんなに円満な夫婦でもうまく続きませんし、婚姻生活の破たん要因にもなりえます。男性の何割かは、そうした女性の深刻さを理解していないか、軽く考えすぎなのです。

男性がまず最初にできることは、ちゃんと話し合うことです。いつくらいに子どもが欲しいと思っているのか、不妊治療(通院)をするのか、あるいはいつぐらいになったら通院するのか、不妊治療を何年間くらい(あるいは何歳まで)がんばってみるつもりかなど、それなりのコンセンサスを持つべきテーマはいくらでもあります。

すべてにがっちりした合意を作る必要はありませんが、妊活のスタート時点や折に触れて話し合う時間を作ることはとても重要です。話し合うことそのものが、女性のストレスや不安を軽くする方法になるのです。

仕事が忙しいとか、話題にするのは恥ずかしいというのは言い訳にはならない、と考えておきましょう。

男性にできること(2) 可能な限り一緒に通院する

もし不妊治療を本格的にスタートしたら、男性も可能な限り一緒に通院しましょう。
実際の診療は女性だけが受けることが多いものの、医師との面談において、検査結果を説明してもらったり、今後の方針について話し合うとき、男性が常に欠席で、後日妻から話を聞き、方針を追認するばかりでは、夫婦が協力して妊活しているとはいえません。

筆者はほとんどの診療機会について同行していましたが、男性が一緒に通院するカップルはあまり見かけませんでした。
会社員が平日に同行しにくいのは分かりますが、不安そうにひとりで通院する女性の様子を見ていると、もっと多くの夫婦が一緒に通院すべきだと感じました。

もちろん、一緒に通院しても検査や診療に時間がかかる場合もあり、そういう時間は一度席を外して近くの喫茶店で待機していたこともあります(ノートパソコンを開いて仕事をしていました)。診察結果を聞く時間だけでも仕事を抜け出す方法を考えてみてはどうでしょうか(時間を夕方にするなど工夫はいろいろあるはずです)。

男性自身も検査を受けるのは当然のことです。
原因は男性と女性の双方にありえますから50%の可能性をチェックしないわけにはいきません。これは恥ずかしいとかいう問題ではなく、合理的な治療の手順に必要なことだからです。むしろ、男性のほうから申し出るといいでしょう。