4. 保育園に行っている子の方がアレルギー発症率が低い!?
今、保育園に預けている子の方がアレルギー発症率が低いのでは、という研究が進んでいるのだそうです。
幼い頃から集団生活をする保育園には雑菌が多くいますが、その分子ども達は鍛えられているのでは、という考えで、これはほぼ確実に言える事だろうとのこと。
確かに、保育園に預けてからしばらくは、ほとんどの子が頻繁に熱を出します。何日も鼻水を垂らしていて親は不安になるのですが、しばらくすると、最近熱も出さないし、いつの間にか丈夫になったのね、と気づかされます。
「ネズミを生まれて直ぐのころから無菌状態でずっと育てると、ふつうのネズミより長生きします。しかし、その間免疫機能は発達しません。
人間がずっと無菌状態で行きていくのは無理な事、雑菌にさらされる事が、免疫を鍛えるのに必要なのです。」と中尾教授。
保育園に行っていない子も、積極的に人の多い場所に連れて行ってあげるといいかもしれません。もし他の子に病気をうつされたら、うつしたら、と過神経質にならず、みんなで思い切り遊んで体を鍛えあおうね、というスタンスでいられると、親のストレスも少なくてすみますね。
5. アレルギーにとって一番の問題は“環境”
先ほど、アレルギー児の増加は1970年代以降という話が出ましたが、これは大気汚染などの公害が問題視させるようになったタイミングでもあります。
タバコの煙やPM2.5、化粧品、食品添加物など、今当たり前のように身近に存在している様々な化学物質がアレルギーを引き起こす一番の要因となっていることは明らかなのだそう。
化学物質にほとんど触れていない発展途上国の人と日本人を比べても、その差は明らかなのだとか。
「じゃあ原始的な生活に戻しましょう、と言ってもすぐ戻せるものではありません。しかし、私たちは個人レベルだけでなく、もっと大きな取り組みとしてこの環境を変えていく必要があります。」と中尾教授。
発症してしまったアレルギーを治すことは難しく、今も様々な研究がなされています。なるべく化学物質をさける生活をしたからといってすぐにアレルギーが治るということはないそう。ただ、長い目でみても、オーガニックなどな化学物質を避けるよう心がけるのはよい事なのだとか。
では、更なるアレルギー発症を防ぐことはできるのでしょうか?
これについても中尾教授に聞いたところ、ある身近なものでアレルギーを予防できることが明らかになってきているのだそうです。
一見軽い症状だったとしても、集中力の低下や睡眠不足など、大きな問題になりがちなアレルギー。私たちや子どもたち、そして生まれてくる赤ちゃんの為にも、環境改善や予防に取り組みたいですね。