カナレットが生み出す写真のような風景画

引用 -"Giovanni Antonio Canal, il Canaletto - Regatta on the Canale Grande" by カナレット - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH.. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons

風景画家、銅版画家として活躍したカナレットは、当時の欧州のリアルを映し出す写実性に加え、巧みな遠近法、細やかな色彩感覚から生み出す明暗の描写が特徴的で、景観図・奇想画ともに優れた作品を残し、生前から高い評価を得ていました。

口語で表現すると「ヤバイ!(まるで写真のようだが、絶妙な光の表現で絵に生み出された物語が、好奇心をかきたてる。)マジヤバイ!(写真のような画風にもかかわらず、ちょいちょい想像で書いた街の絵を挟んできて、パッと見では区別できない。)」です。

 

カナレットは作品の多くを「カメラ・オブスキュラ」という機械を使用し、下絵を描いていたと言われています。

「カメラ・オブスキュラ」とは、ラテン語で「暗い部屋」。

カメラの由来にもなった装置で、ピンホールカメラのように、外の風景を暗い内側に映し出すことができ、実際の風景をトレースすることが出来ました。

カナレットの使っていたとされるカメラ・オブスキュラは、ヴェネツィアのコッレール美術館(Museo Civico Correr)に保存されています。

東京ディズニーシーにある「フォートレス・エクスプロレーション」という散策系アトラクションには、カメラ・オブスキュラの実物が設置されています。

かなり大型のカメラ・オブスキュラですが、カナレットが見た世界を疑似体験するのも興味深いかと思います。

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