――当時涼平さんが最初にヴィジュアル系シーンに出てきた時に、私はすごく「新しい」と感じたんですね。雰囲気が文科系というか。あんまりこれまでのヴィジュアル系が纏っていた「ヤンキー的」というか「気合」の香りがしなかったんですね(笑)。大学のサークルから始まったというお話はすごく納得がいきました。
涼平:確かに(笑)。それは本当にその通りで、僕ら世代からすごい増えたのが、いわゆるヲタクからヴィジュアル系になった人。今はむしろヤンキーから上がる人が3割くらいじゃないですか?
――3割くらい…(笑)。それは実感ですか?
涼平:実感ですね。僕らのローディーの子とか見ててそう感じます。元々ヴィジュアル系というジャンル自体、オタクの人が入り込みやすいというか、お化粧してちょっと二次元的になる部分があるというか。僕も元々アニメやゲームがすごく好きなのでそこにハマりやすかったっていうのは絶対あると思います。
――涼平さん自身がバンドをやっている上で影響を受けたヴィジュアル系ミュージシャンもはいらっしゃいますか?
涼平:自分が実際にバンド始めてから影響受けたヴィジュアル系バンドっていうのは別にありまして。
DAS:VASSERってバンドなんですけれども。僕、ちゃんとヴィジュアル系を学び始めた時に最初に買ったCDがDAS:VASSERのCDなんです。
――それはすごい意外な気がします。
涼平:そうですね、僕その後にいろんなバンドを聴いたんです。だけど、ファーストインパクトはDAS:VASSERなんです全部。
――なぜDAS:VASSERだったんですか?
涼平:元々ホラー映画が好きなんですよ。それでたまたまCD屋さんで見かけたDAS:VASSERのCDジャケットがホラーみたいで。「すごいインパクトあるな」と思って手にとったのがきっかけです。聴いてみたら曲がすごい良いなと。未だに僕の中でああいう曲を書けるようになりたいと思っています。
ただ悲しいのはバンドマンの子と楽屋とかで話してる時に僕だけズレちゃってるんです、こういう話は盛り上がれないんです(苦笑)。例えば「LUNA SEAのあのアルバムのさ、あそこのギターカッコ良くね?」みたいな話をされても、それはその子達にとっては「中学校の時に聴いた」的なファーストインパクトじゃないですか。
僕の場合は高校から大学に入る直前くらいに聴いたDAS:VASSERがファーストインパクトになっちゃってるんで、でもDAS:VASSERの話をできる人が周りにはあまりいないので、バンドマンとルーツの話とか全く盛り上がれないんですよね(笑)。
――そういうところも含めて涼平さんのことを「変わってるな」と思った理由かもしれないですね。
涼平:かもしれないですね。生まれ方に関しては多分特殊性があるのでその時点で場合によってはアドバンテージだし、場合によってはデメリットもあると思うんですけど。