――そんな風にずっと独自のところにいらっしゃるのがおもしろいなと。今後も特に「こうなりたい」みたいなものはないですか。

涼平:そうですね。どっちかって言うと自分たちのバンドのポジションっていうより音楽をもっと届けられる場所が欲しいなと思ってまして、今色々なアプローチをしてますね。
僕は実はあんまりこだわりなかったりするんですけどね、こだわりないのがこだわりかもしれないですね(笑)。僕は音楽作ってそれ発表できればそれが最高なので。

――もう他の活動は全部そのためだっていう。

涼平:そうですね、極端なこと言うと50、60になっても音楽の仕事やりたいんですけどヴィジュアル系というか見た目も込みで売り出すのはその頃には難しいと思うので、その時でも自分の好きな音楽で関わってたいなと考えていて。稼げる稼げないではなく関わってはいたい。一般的に言う定年くらいまでは音楽に関わりたいなと、60とか65とかまでは(笑)。

――あと30年くらいですかね。

涼平:そうです、はい。

――いけそうな気がしますね!

涼平:あははは(笑)。まぁ、またその時はどういうやり方でやっているかは分からないですけど。

 

 

――そして、11月5日にリリースされるシングル『St.Lily』について伺いたいんですけど、 ABC盤とありますが、【タイプA「ひかりがほしい」盤】【タイプB「とりこむかいぶつ」盤】【タイプC「まきもどすきせつ」盤】とおもしろいですね。

涼平:そうなんです、僕ひらがながすごい好きで。そこに深い意味はないというか自分の歌詞の世界とかに近いものを表現しているというか。

――歌詞の世界も独特ですよね。

涼平:ありがとうございます。僕個人の趣味としては歌詞書くよりも曲を作る方が好きというか、歌詞は元々本を読むのが好きなので、ほとんどが本で得た知識なんかを再構成してるだけなんですけど、歌詞のほうがおもしろいと言われることは多いですね。

――好きな作家はいらっしゃいますか。

涼平:筒井康隆や安部公房が好きなんです。15歳くらいまでに読んだ本の情報が自分の中では全てなのかなと思ってまして。もちろん今でも趣味として本は読むんですけども、やっぱり中3くらいまでに感じちゃったことが全てというか。

だから僕、歌詞や曲も15歳くらいから書き溜めているものをとっていて、まだ発表していないものもいくつかあって。たとえばメガマソの「涙猫」という曲も15歳の時に書いた曲なんです。そういう初期衝動はすごい大事だなって思うんです。それは別に15の時だけじゃなくて18歳の時とか23の時とか全てがその時にしか書けない曲があるので、昔のものはノートで手書きですけど、バンド始めたばかりの頃、10代のときに使ってたパソコンのデータも全部とってありますね。

――すごいですね。

涼平:昔はお金もないからフリーのシーケンスソフトとか使ってたんですけど、そのソフトしか読み出せないデータとかもあるんですよ(笑)。

――他には、例えば海外展開も考えてらっしゃるんですか。

涼平:それもそんなに強くはないんですよね。もちろん海外のイベントにも呼んでもらったら行きたいと思います。ただ何よりは結局音楽に戻っちゃうんで、音楽を聴いてもらえたらまずはそれが一番かなって。生のライブはもっとカッコいいんで余裕があったら海外もライブで回りたいですけど。

――音楽を届けたいと。

涼平:届けたいですね。

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