――出自は特殊だったとはいえもうキャリアも。

涼平:そうですね。バンドを始めてから十年以上経過してますしね。

―そうなると始めた頃のヴィジュアルシーンと今って結構…一括りにネオヴィジュアル系って言われてますけどもう02~04年頃のネオヴィジュアル系とこの2014年のネオヴィジュアル系って全く違うものじゃないですか。

涼平:違いますね、はい。

――「これ変わったな」ということはありますか?

涼平:もちろん周りは変わってはいるんですけど、逆に意外と自分が変われてないというか変わってなくて。元々周りに合わせるのが苦手というか、「これが流行ってるからこうしよう」というのが出来ないタイプだったので、「変わってくなぁ」って傍目に見ながらも「でも僕に出来るのはコレだしなぁ」みたいなところはずっとありましたね。

ただ逆に言うとこの10年「ネオヴィジュアル」と言われる前の時代から比べると、いい意味で再生産というかそこまで変わってないのでは。例えば「○○っぽい」と言われるバンドが定期的に出てきて人気が出てきたりというところも含めて…、別に僕はそれが悪いとは全然思ってなくて、ただもう一度ヴィジュアル系が世間一般に大きく認知される時代っていうところとはまた違うのかなと思ってます。

世間一般的にも趣味も多様化してますし、「昨日のMステ観た?」みたいなことをしなくても、LINEやTwitterで同じ趣味の人がつながればいいので、大ヒットは生まれにくくなってますよね。逆に考えるとミリオンセラーが続出していた時代が恵まれすぎていて、今の方が選択肢が増えた分、普通というか健全と考えたほうがいいと僕は思います。

――変わることができないとはおっしゃいますが、最近だと舞台出演など他ジャンルとのコラボは積極的に行っている印象があります。

涼平:そうですね、僕も去年舞台(本格朗読劇『極上文學 Kの昇天~或はKの溺死~』)に出ましたし、先日はボーカルのインザーギ君も舞台(『CLUB SLAZY』)に出たんですけど、共演して仲良くなった子にMVに出てもらったりというコラボレーションはありますね。

――舞台に出演してみてバンドとの違いを感じることはありましたか?

涼平:全然違いましたね(笑)。舞台の会場キャパも500キャパくらいで、自分が普段ライブで500人のお客さんの前に立つよりも30倍くらい緊張しましたし…。でも達成感もありました。やっぱり何年経っても新しいことにチャレンジしていった方が、新しいアイディアにもつながるので。舞台に出ることによって自分たちのライブの演出もちょっと変わることもありましたし。

――では逆にバンドと似ているところってありますか?

涼平:んー…感覚的にはなかったですね。もっと客観的に見てお客さんの層とかは似ている部分は多少感じましたが。それと同時に近いけど相容れることもないのではと思いました。

――近くて遠い、みたいな。

涼平:ですね。

――以前はバラエティ番組やギャル雑誌にも出てましたよね。先日はロリータ・ファッションの動画にも出演されていたのを拝見して、すごい積極的に出て行く人だなと思って。

 

 

涼平:面白そうな話があればヴィジュアル系の外のお仕事でも引き受けますね。
自分たちの音楽がちゃんとしてれば後はどうでもいいかな…って言ったら失礼ですけど(笑)、どう見られてもいいかと思っちゃうんですよね。
そこが最終的にちゃんとしてれば、聴いてくれる人は聴いてくれるだろうみたいな、甘いかもしれないですけど。