単刀直入に質問! どうしてドラえもんが川崎市特別住民なのか。

「それは川崎市の多摩地区にある藤子・F・不二雄ミュージアムの開館一周年と、ドラえもん誕生100年前を記念して企画されたものなんです」と中山氏。
  
藤子・F・不二雄ミュージアムの開館は2011(平成23)年の9月3日。その一周年を祝うため、川崎市と藤子・F・不二雄ミュージアムが手を取り合って企画されたものだそうだ。

このミュージアム開館一周年の年である2012(平成24)年は、ドラえもんの誕生日の2112年9月3日のちょうど100年前にあたる。

 

これが特別住民の証、ドラえもんの特別住民票

藤子・F・不二雄先生が長年川崎市に居を構えていたことから生田に建てられた藤子・F・不二雄ミュージアム。
その一周年の記念として贈呈されたのが“特別住民票”なのだ。

この住民票、広報印刷物として2012(平成24)年9月3日から川崎市にある7つの区役所等とWeb上で配布され大きな反響を得た。

印刷された紙ベースの住民票は12万9300枚を作成。(配布期間9月3日から翌2月28日まで)配布した枚数は約11万3000枚。Web上でのダウンロード数は当初の予定だった一ヶ月間をさらに一ヶ月間延長し、計二ヶ月間の間に11万279枚がファンの手に渡ったそうだ(スゴい数!)。※残念ながら現在、交付は終了している。

 

こちらがドラえもんの特別住民票

―関係者の皆さんの反応は、どうだったんでしょう?
「藤子プロ、藤子先生の奥様にも大変喜んでいただきました」

「―部ネット上では“ドラえもんは作品の舞台である練馬区民だ” とか、“藤子先生の出身地である富山県民だ”という声もありますけど」と、ちょっとイジワルな質問をぶつけてみた。

「確かに、そのような声があることは存じております。ただ、現在に至るまで川崎市に苦情のようなものは一件もいただいてはおりませんので・・・」

なるほど。ドラマや漫画、アニメーションのキャラクターが特別住民になることはよくあること。例で言うと、埼玉県春日部市を舞台にした「クレヨンしんちゃん」も、春日部市の特別住民だ。
こちらは藤子先生がドラえもんを生み出した地、川崎市にちなんでいるのだ。

 

壁に貼られていたポスター。長編(映画)もドラえもんの魅力の一つだ

最後に、中山氏に「ドラえもん」の印象について聞いてみた。

「・・・映画、でしょうかね。娘が小さい時、よく一緒に観に行った思い出があるので」

うんうん、「ドラえもん」は映画もいいよね。みんなが力を合わせて頑張って、誰かのために、できることを精一杯するんだ。それにジャイアンがいつになく優しくってさ・・・。

多忙な中山氏にお礼をして市役所を辞する。本当はこれで調査は完了なのだが、もう少し掘り込んでみよう。