映像と音声の仕様も、申し分なし

肝心の映像と音声だけど、これも驚くほど細かく設定ができる。特に音声へのこだわりはものすごく、いわゆるオートモードである「スタンダード」の他に、屋内での音楽を収録するための「音楽」、野外音楽イベント向けの「フェスティバル」、講演などで便利な「スピーチ」、複数の人の声を聞き取りやすくする「ミーティング」、自然の音の広がりをクリアに録るための「森と野鳥」、風や自動車走行音などの騒音を軽減する「ノイズカット」といったモードが用意されている。

また、自分で細かくパラメータを調整できる「カスタム」モードもある。通常はスタンダードだけでも十分だけど、場合に応じて切り替えるとさらに音質がよくなるというわけ。

 

実際、音質に関してはかなり満足。モードは限られるけど、リニアPCM記録が可能なのは大きい。今回は人の声と公園での自然の音しか録っていないけど、ボイスレコーダーにも負けないクリアな音が録ることができた。

ノイズカットが上手なのも驚き。これなら「音楽」モードを使えば、ライブの音なんかもかなり綺麗に録れそうだ。外部マイク入力があるのも、音質にこだわるユーザーとしては嬉しいところだろう。

画質も良好。mp4以外にAVCHDフォーマットでも記録できる。画質は3段階から選べるので、カードの容量やデータの大きさも考えて選びたい。個人的には真ん中のフルHD標準画質とmp4で十分だった。

映像モードも「マクロ」「夜景」「車内」「スポーツ」「グルメ・ファッション」「スノー」「ビーチ」など多彩。「車内」が用意されているのが面白い。ワイド撮影できるから、車載ビデオにもぴったりということか。ま、通常はオートで十分だけど、これも用途に応じて分けるといいだろう。

 

バリアングル液晶は自撮りの必需品。超広角なので、手持ちでもかなりの範囲が入る。液晶は晴天時にちょっと見にくいのだけど、通常時なら十分だ。

バッテリーの駆動時間は2時間40分と、十分な長さ。セミナーを一日中録画するなんて使い方はできないけど、一般的な仕事では余裕でもってくれる。

 

最近のデジモノらしく、Wi-Fiを搭載していて、スマホアプリからコントロールすることもできる。メニューからライブストリーミングリモコンを選んで、スマホからWi-Fi接続するだけ。アプリ側から露出をいじることができるのは便利。室内で演奏やダンスを自分撮りしてyoutubeにアップするのに便利そうな機能だけど、それ以外にも色々使い道はありそうだ。

 

たとえば室内のパーティーなどを広く録画するためにはかなり高い場所に「iVIS mini X」をセットする必要があるので、そういうときのオンオフにスマホを使うと便利だろう。また、家族旅行などでも、いちいちセットした「iVIS mini X」のところまで走っていくところが記録されずに済む。

ということで、あらゆる点で大満足の「iVIS mini X」。弱点らしい弱点は見当たらなかったけど、強いていうなら液晶のタッチパネルの感度がもうちょっと良ければな~という感じだ。同社のミラーレス「EOS M」のタッチパネルがかなり優秀なだけに、期待してしまう。

まぁそれは些細なことで、「iVIS mini X」はプライベート以外に、仕事でもかなり役立ってくれるカメラなのだった。

やまだい・ゆうき 映画、漫画、ゲームなどエンターテインメント関連の記事を中心に執筆するフリーライター。飲料では特にコーヒーとカフェオレをこよなく愛しており、これまでに数百もの缶コーヒーの感想を記録している。ブログ