2. 無断で提出されそうなら「不受理届」が有効
今回のケースでは、相手が離婚届を無断で提出するおそれがある場合、「離婚届不受理申出」を行うことが効果的です。離婚届不受理申出とは、仮に相手が勝手に離婚届を提出しても、役所で受理しないよう事前に申し出る制度です。
具体的な手続きとしては、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)と印鑑を持参し、本籍地の市区町村役場(遠方に居住している場合には、居住地などの任意の市区町村役場でも可)で書類を提出するだけで手続きが完了します。
不受理届の用紙は、市区町村役場に備え付けられているほか、役所のホームページからもダウンロード可能です。
この不受理届は、取り下げない限り有効です。以前は最長半年間という制限がありました)。一度提出すれば、取り下げるまでは期間の制限なく有効となっています。
ただし、不受理届を提出した後に、協議による離婚に応じる場合は、不受理届を取り下げる必要があるので注意が必要です。
ご相談者の場合、妻による離婚届の無断提出のリスクがあるため、早めに役所で離婚届不受理の申出をしておくことをおすすめします。
(記事は2025年10月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)
理崎智英(弁護士)
一橋大学法学部卒。東京弁護士会所属。登録番号43200。離婚・男女問題に力を入れている。豊富な解決実績・メディア出演多数。培ってきた経験やノウハウを活かし、一人ひとりに合わせたオーダーメイド型の解決策を提示している。趣味は、テニス、ビリヤード、生け花。
【記事協力:離婚のカタチ】
「踏み出す一歩 未来の選択」をコンセプトに、朝日新聞社が運営する離婚の悩みに寄り添うポータルサイト。離婚を検討する人にとって役立つ情報をお届けするほか、お住まい近くの離婚に詳しい弁護士を探す機能がある。


























