◯◯男子や◯◯女子、◯◯世代など、イマドキの若者を表す言葉は次々と生まれます。

2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた言葉「さとり世代」は、欲がないと言われている世代を指す言葉。2014年は、地元を愛し、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活を続ける「マイルドヤンキー」という言葉も生まれました。

そんな“イマドキ”を表す言葉ですが、2015年はひょっとすると「女子力男子」が流行るのかもしれません。この「女子力男子」に詳しいのが、「マイルドヤンキー」という言葉の生みの親であり、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平氏。

原田氏は、「女子力を身につけた男子が新しい市場を創りだす」と、書籍『女子力男子』で提唱しています。
 

男子が『女子力』を獲得しようとしている!?

現在の若い世代の特徴として、「恋愛離れ」があります。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(2010年)」によると、「交際している異性はいない」と答えた未婚男性は61.4%で、前回の2005年の調査よりもその数は上昇。

また、彼らの世代は割り勘が当たり前となっています。そういった背景から、以前よりも自分に対してお金が使いやすい土壌が醸成されつつあるのです。

そこで増えてきたのが、女性のような「自分磨き」に投資する男性です。

「例えば、化粧品をそろえて美容に励んだり、食材やキッチングッズにこだわって料理の腕をあげたりといった具合です。『女子力』を獲得しようとする彼らは、そのための労力や出費は惜しまない、女性顔負けの消費者です。いわば、こうした『女子力男子』とも呼ぶべき男子たちが、消費の中心に躍り出つつあるのです。彼らの多くは、いまは学生か、社会に出たばかりです。しかし、まもなく彼らが社会に羽ばたき、中心になっていき、いっそうの経済力・消費力を身につけていくのです」(同書より)

「女子力男子」には様々なタイプの男性がいると分析されていますが、その中でも、原田氏が男子の新勢力と2014年に発表して話題となったのが、「化粧ポーチ男子」です。