西島秀俊(左)と岡田准一

 映画『散り椿』の完成報告会見が27日、東京都内で行われ、出演者の岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、木村大作監督が出席した。

 本作は、直木賞作家・葉室麟氏の同名時代小説を映画化。日本を代表する映画撮影者である木村氏の監督第3作目になる。

 亡き妻のため、故郷の藩の不正を正そうとする侍を演じた岡田は「美しい本物の時代劇を作ろうと言ってくださった、生きる伝説である大作さんと日々戦うつもりだった。2カ月間、本当に斬り合っているかのようなしびれる現場でした」と撮影を振り返った。

 殺陣に関しては岡田が提案することも多かったという。木村監督は「殺陣師は年寄りが多いから口ばっかり。岡田さんは自分で見せられるから素晴らしい。俺は三通りぐらい見せてもらって、一つをチョイスするだけだった。殺陣をつけたのは全部、岡田さん」と明かした。

 さらに「殺陣はスピード。岡田さんは三船敏郎、高倉健、仲代達矢、勝新太郎よりも速い」とべた褒め。岡田は「すごい人の名前が出てきて、頭がクラクラする。どうしたらいいか分からない」と恐縮しきりだった。

 だが、クライマックスで岡田と対峙した西島が「1~2カ月練習してきた殺陣を、(撮影)当日の朝に変えてきたことがあった。さすがにその撮影はヒリヒリした。せめて、前日に言ってほしかった」と暴露。

 岡田はバツが悪そうにしながらも、「なんか予定調和かなと思って…。でも、先輩も2回流しましたよね。3回目でようやく『分かったよ』と言ってもらえたので、粘ってよかった」と釈明した。

 映画は、カナダで開催中のモントリオール世界映画祭のオープニングを飾り、コンペティションに選出されている。木村監督は「たばこが吸えない」ことを理由に現地には行かないそうだが、岡田が「大作さんの、この映画に対する愛、人生を、世界の方に感じていただきたい」と気持ちを代弁した。

 映画は9月28日から全国東宝系でロードショー。