2. 財産分与請求をするなら別居前に対策を

離婚時に妻に対して財産分与請求をする場合、妻の財産を把握している必要があります。別居後に妻が財産を隠すリスクがあるので、別居前に妻名義の通帳や妻宛ての郵便物のコピーを取っておく等の対策をすることが重要です。

また、夫の年収が妻より高い場合、夫は妻に対して婚姻費用を支払う義務があります。別居後、妻からの要求にもかかわらず婚姻費用を支払わない場合、有責配偶者として夫からの離婚請求が認められなくなる可能性もあるので注意が必要です。

別居中でも妻との婚姻関係は継続しているため、異性と交際しても良いということにはなりません。不倫をすると、妻から慰謝料請求や離婚請求を受けるリスクがあります。有責配偶者として離婚請求が認められなくなる可能性もあるため、別居期間中の不倫は控えた方が良いでしょう。

離婚の準備を進める中で、お金や子どもの親権などで迷うことがあれば、早めに弁護士に相談することをおすすめします。あなたの状況に合わせて、少しでも有利な条件で交渉できるようアドバイスを受けることができます。

(記事は2025年12月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)

理崎智英(弁護士)

一橋大学法学部卒。東京弁護士会所属。登録番号43200。離婚・男女問題に力を入れている。豊富な解決実績・メディア出演多数。培ってきた経験やノウハウを活かし、一人ひとりに合わせたオーダーメイド型の解決策を提示している。趣味は、テニス、ビリヤード、生け花。

【記事協力:離婚のカタチ
「踏み出す一歩 未来の選択」をコンセプトに、朝日新聞社が運営する離婚の悩みに寄り添うポータルサイト。離婚を検討する人にとって役立つ情報をお届けするほか、お住まい近くの離婚に詳しい弁護士を探す機能がある。

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