「最近、気分が沈みやすい」「ちょっとしたことでイライラしてしまう」。そんな状態が続いて人間関係や仕事にも影響してしまい、ますます気分が落ち込んでしまうことはありませんか?

実はその不調には、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が関わっている可能性があります。

この記事では、セロトニンの働きや不足する原因、今日からできる増やし方、そして気分の落ち込みに役立つ漢方薬まで、心を軽やかにするための方法を紹介します。

幸せホルモン「セロトニン」とは?

セロトニンは、精神の安定に深く関わる神経伝達物質のひとつです。心を落ち着かせ、安心感や穏やかさを作り出す役割があり、セロトニンが十分に働くことで気持ちの切り替えがしやすくなり、ストレスへの耐性を高められます。

反対に、セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れやすくなり、感情のコントロールが難しくなることがあります。些細なことでイライラする、意欲の低下、集中力の低下、頭痛、自律神経の乱れによる体調不良、うつ症状にもつながりやすくなるのです。

セロトニンが不足する原因

セロトニンは生活習慣や食習慣など、さまざまな要因によって分泌量が減少します。セロトニンが不足する原因をみてみましょう。

1.生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れていると、セロトニンの合成や分泌量が減少しやすくなります。セロトニンは太陽の光を浴びることで分泌が促されます。そのため、外出の機会が少ない人や室内で過ごす時間が長い人など、日中に十分な光を浴びない生活を続けている場合は注意が必要です。

また、生活リズムが乱れて夜更かしが増え、体内時計が乱れることもセロトニン不足を招きます。運動不足もセロトニンの生成に影響するため、運動習慣がない場合もセロトニン不足につながりやすくなります。

2.トリプトファン不足

トリプトファンは、セロトニンの材料となる必須アミノ酸です。体内では作ることができない成分のため、食事から摂取する必要があります。

しかし、偏った食生活や過度な食事制限を続けているとトリプトファンが不足し、セロトニンの合成がうまくいかなくなる可能性があります。

3.女性ホルモンの減少

女性ホルモンの減少もセロトニン不足につながる要因のひとつです。女性ホルモンとセロトニンは密接に関わっており、女性ホルモンの分泌量が減少すると、セロトニンの分泌量も減少しやすくなります。

女性ホルモンはストレスや妊娠・出産、加齢などさまざまな要因によって分泌量が変動します。とくに、更年期には女性ホルモンの減少により自律神経が乱れ、イライラや不安などの症状が出やすくなるため注意が必要です。