冬になると、風邪やインフルエンザが流行しやすくなりますよね。「冬は免疫力が低下する季節だから当たり前……」と考えている人も多いはず。でも本当は、冬は免疫力が高くなり、風邪を引きにくくなっているはずなんです。では、どうして冬になると風邪やインフルエンザが流行するのでしょうか?

この記事では、冬の免疫力についての意外な事実や、現代の生活習慣が免疫力に与える影響、そして免疫力を高めるための方法をご紹介します。

免疫について知り、元気に冬を乗り越えましょう!

夏より冬の方が免疫力が高いって本当?

「夏より冬のほうが免疫力が高い」と聞くと、驚く人もいるかもしれません。でも、これにはちゃんと理由があるんです。

生物は冬に備えて秋にエネルギーを蓄える習性があり、これに伴って免疫力は秋から冬にかけて最も高くなります。逆に、春から夏にかけては蓄えたエネルギーが消費されるため、夏の終わりには免疫力が最も低下するのです。

では、なぜ冬に風邪が流行するのでしょうか?

その理由のひとつが乾燥だといわれています。冬は空気が乾燥しているため、ウイルスが空気中に拡散しやすい環境になっています。温度32度、湿度50%で試験をすると6時間後のウイルス生存率は0%だったという報告もあるので、冬の乾燥には注意が必要です。(※1)

また、低温と低湿度はウイルスにとって最適な生存環境であるため、冬場は空気中にウイルスが長く生き残り、感染しやすくなると考えられます。さらに、冬場は暖房の効いた部屋に家族や友人と集まる機会が増えることも、ウイルスが広がる原因となります。

免疫力が下がってしまう原因とは?

本来、冬は免疫力が高まっている季節。でも、家事に仕事にとマルチタスクに追われる現代人は、知らず知らずのうちに免疫力を低下させてしまっているかもしれません。ここからは、免疫力を低下させる原因についてご紹介していきます。

1.ストレス

年末はとくにオーバーワーク気味になったり、ストレスがたまったりしがちですよね。仕事の締め作業や、大掃除や買い出しなども重なり、なかなかからだと心を休めづらい時期です。

しかし、ストレスをためすぎるのは要注意。過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫力が低下する原因になるとされています。

2.不規則な生活

冬は忘年会や新年会なども続き、食事や睡眠などの生活習慣が乱れやすい時期。

飲み過ぎや食べ過ぎが続くと肥満を招き、免疫力の低下につながります。さらに、年末食べ過ぎたからといって極端なダイエットをするのも、栄養不足を招き、免疫力を低下させてしまいます。

また、夜更かしや睡眠不足も体内時計を乱し、免疫系に悪影響を与えるといわれているので、規則正しい生活リズムを心掛けることが大切です。

3.低体温

体温が下がることで免疫細胞の働きが低下し免疫機能が下がるとされています。これは、体温が下がると、免疫に関わる腸の働きも低下してしまうことが原因です。忙しいからといって、湯船に浸からずシャワーだけですませてしまうのも、からだを冷やし、免疫力低下につながってしまいます。