9:BLUE, GREEN, RED AND GONE
作詞・作曲・編曲:三浦康嗣
来ました、このアルバムのハイライトにして最大の問題作!□□□(クチロロ)の三浦康嗣氏による楽曲は、ドリルンベースを通過したポストロックをアイドルソングに落とし込んだような前代未聞の楽曲で、ASPARAGUS/the HIATUSの一瀬正和氏のドラムがヤバい! テクノ/音響派/ポストロック/EDMを横断するような音楽の醍醐味を感じさせてくれる曲です。
一聴するとシンセとドラムスのインパクトがすごいのですが、その音の洪水の中をすり抜けていくNegiccoの3人の声が素晴らしい! 関連動画として、三浦康嗣さんが手掛けた環ROY『ワンダフル』を貼っておくのですが、この「いろいろなクリエイターが寄り集まって作り上げている」感じ、かなりNegiccoのアルバムに近い気がします。
10:Space Nekojaracy
作詞:connie、作曲:connie・吉田哲人、編曲:吉田哲人
1stアルバムでも編曲として参加した吉田哲人さんが今作にも参加! さらにこの曲、ストリングスでユメトコスメ長谷さんが参加されています。
テクノサウンドをガッツリ鳴らしてくれる吉田哲人さん、ツイッターによるとアナログシンセの名機TB-303を使用したとか! 90年代テクノシーンで一世風靡したビキビキ音に合わせてNegiccoが歌うというのも面白いですよね。このアシッドサウンドに「○○し」で韻を踏むスタイルは電気グルーヴを髣髴とさせます。
ちなみに吉田さんはチームしゃちほこ/いいくらし も手掛けてらっしゃるんですが、こちらもかなりビキビキ言っております!
11:自由に
作詞・作曲:connie、編曲:蓮沼執太
こちらは注目の音楽家、蓮沼執太さん編曲によるかなりフリーダムな曲。ハンドクラップを軸に、様々な音が交差して、その間をスキャットしたりイエイッ!とはしゃいだりするNegiccoの声が跳ね回ります。ある意味では『BLUE, GREEN, RED AND GONE』と対をなすような楽曲なんですが、蓮沼氏と三浦氏、いろいろなところでコラボもしているんですよね。
というわけで、先ほどの環ROY氏を蓮沼氏が手掛けた動画を貼っておきましょう。新進気鋭の音楽家が手掛ける、という意味で、Negiccoはかなり日本の音楽シーンのコアに近づいていると思います。
12:光のシュプール
作詞・作曲:connie、編曲:田島貴男
そして、Negiccoにとって大きな大きな一曲に。2014年12月にシングルリリースしたこの曲は、Negicco初のトップテン入りとなるオリコンウィークリーチャート5位を獲得。作詞作曲はずっとずっとNegiccoと一緒に歩んできたconnieさん、そして編曲に、『サンシャイン日本海』で強い印象を残した田島貴男さんという胸の熱くなるタッグです。
さらにクレジットをよく見ると、ドラムスにはNONA REEVESの小松シゲル氏が参加。さらにさらに、PVは初の海外ロケ、しかもフィンランド!もう、全ての要素が揃ったうえでの大勝負となりました。
いや、ランキングはともかくとしても、この曲自体がすごく良いんですよ。強い絆を確かめる二人の恋物語でありながら、それは「誰かの恋物語」だけではなくて、「Negiccoとあなたの物語」とも読めるわけです。今回も、最後の最後にNegiccoとファンの関係を「わたしとあなた」の関係として歌ってくれるわけで、感動しないわけじゃないですか!
関連記事:【Negicco】念願のオリコン週間5位入り! 「光のシュプール」リリースイベントレポ【インタビューあり】
13:ありがとうのプレゼント
作詞:Negicco、作曲・編曲:connie
ラストのこの曲については、あまり多くを語るのは野暮というものでしょう。Negiccoからファンの、そして周りの人々への感謝の言葉が連ねられた一曲です。シンプルだからこそ伝わるものがありますね。聴いているこちらからも思わず「ありがとう!」と言いたくなります。
最高の疾走感からはじまって、豊かな音楽の可能性を行き来し、最後にはもう一度じっくりと愛を確かめる、素晴らしい構成のアルバムです。
いやはや、2枚のアルバム合計26曲について詳細レビューしてみました。Negiccoの恐ろしいところは、ここにさらにベスト盤に入っている過去楽曲や、アルバムに入っていないシングルのカップリング曲があって、さらにそれがライブでの人気曲だったりすることなんです。どんだけ奥が深いんですか、Negiccoワールド!
次回は、ここまでの楽曲レビューを踏まえて1月25日に開催された恵比寿リキッドルームでのワンマンライブをレポート、そしてこれからのNegiccoを予想してみたいと思います!まだまだ続きますよ!