刑事専門俳優と芸能記者の恋を描くロマンスコメディ『憎らしい恋』

イム・ヒョンジュン(イ・ジョンジェ)は、かつて将来を期待された俳優だったが、表舞台から姿を消し、マネージャーとともに印刷所で働きながら平凡な人生を送っていた。

ある日、映画学科の大学生から熱心に誘われて出演した卒業制作のインディペンデント映画『優しい刑事 カン・ピルグ』が、世界中の映画祭を席巻し、俳優としてカムバック。一躍トップスターとなる。

7年後。当たり役とはいえ、「カン・ピルグ」を演じ続けたことで刑事専門俳優のイメージが定着し、マンネリを感じていたヒョンジュンの前に、政治家の不正を探って芸能部に飛ばされた元政治部の記者ウィ・ジョンシン(イム・ジヨン)が現れる。

最初はいがみ合うふたりだったが、やがてジョンシンは『優しい刑事 カン・ピルグ』を観て彼のファンになる。ふたりはそれぞれ、相手の素性はわからないまま、中古取引プラットホーム「ヤンパ」を利用してやり取りを始める。そして実際に取引で対面することになるが、その相手こそヒョンジュンとジョンシンだった。

イメージチェンジに迷走する刑事専門俳優と、政治部から左遷された芸能記者の恋を描くロマンスコメディ『憎らしい恋』(2025年)。

主演のイ・ジョンジェは、世界的ヒット作『イカゲーム』(2021年、2024〜25年)シリーズや『スター・ウォーズ:アコライト』(2024年)などでグローバルアクターとして知られているが、本作では、これまで演じてきたハードな役とは異なり、まるで学生のように片思いをする姿が見られるのが楽しい。

イ・ジョンジェと同じ事務所に所属するヒロイン役のイム・ジヨンは、『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』(2022年)で見せた悪役ぶりも印象深いが、本作では、とまどいながらもヒョンジュンにハマっていくジョンシン役を好演している。

ダーティな役も濃度の高いラブシーンも自在に演じられるふたりが、あえて爽やかな恋模様を見せるところがポイント。さらに、ジョンシンの上司役で登場するキム・ジフンとソ・ジヘのサブカップルにも注目したい。