一日15分 意識して「おひとりさま時間」を作ることでうまくいく

ならば、意識して、完全に一人になる時間を作れば、仕事もプライベートも、人に迫られて息苦しさを感じることはなくなります。とはいえ、忙しく過ごしている人なら、物理的に長い時間を割くことは難しいと思います。

そこでおすすめしたいのが、一日15分だけ、完全な「おひとりさま時間」を意識して作ることです。

たとえば、職場で昼休みを過ごす時、食事を済ませたらオフィスの外に出て近くの公園を15分だけ散策してみる。自宅で入浴する時に、いつもより15分長く浴室で過ごす。職場から自宅に戻るときに、座れる各停の電車に乗り換えて、一人で過ごす時間を作り出す。

些細なことのように見えますが、意外な効果があります。ここで重要なことは、携帯をいじったり、本を読んだりといった、頭を使ったり心を砕くことを一切しないことです。

携帯をいじったり、本を読んだりすることで、意識は必ず他の誰かに向かいます。したがって、せっかく自分一人だけの時間を過ごしていても、誰かと接するストレスを引きずることになってしまいます。

とにかく、何もせず、自分の目に映る風景や、心の中を過ぎていくものを見つめること。
ただ単に、自分一人で過ごす時間を確かめることで、仕事もプライベートも人と接する時間が苦痛でなくなります。

余談ですが、心に息苦しさを感じるのは、3つの時間のバランスが崩れた時に起こるものです。したがって、仕事などの公の立場で人と接する時間が極端に減れば不安になりますし、プライベートで人と接する時間が無くなれば、寂しさを感じるようになります。

不安や寂しさがのしかかっているようなら、3つの時間のバランスを考えて、仕事やプライベートの時間をコントロールするのも、自分らしさと穏やかな心を保つ良い方法です。
心当たりがあるようなら、ご自分の3つの時間を見つめ直してみてくださいね。

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログ