困難な状況でも、彼女の美しさを尊重するイケメン

ムーミンとフローレンが2人で遭難してしまったときがあります。
朝起きたらみんなが寝ていた屋敷が流されていて、木の上で寝ていた2人だけ取り残されてしまいました。(前日にムーミンは「今夜は木の上で寝てみよう。」といつもと違うアイデアを言い出しました。それもロマンチックな発想ですね。)
ムーミンは悩んで場を暗くするのではなく「こんなことくらい、そう怖いことではない」と思い直したあと、フローレンにこう言います。
 

「泣くのはやめて。サンドイッチでも食べなよ。
ぼくたち、この森の中を木をつたって進んでいこう。

そうそう、きみの前髪には、ちょっとくしを入れたらいいぜ。
ぼく、きみがきれいにしてるのを見るのがすきなんだもの!」

(ムーミン童話全集4 「ムーミン谷の夏まつり」より)


イ、イケメン…!

「きれい」だけではなく、「君がきれいにしているのを見るのが好きなんだもの。」とムーミンは言います。これはかなりの上級者です。
完成した女性のきれいさだけではなく、きれいにしているのを見たい。と言われると、全てを好きでいてくれているのかな、と女性はとても愛情を感じます。

 

2015年2月13日公開「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」
©2014 Handle Productions Oy & Pictak Cie © Moomin Character TM

怪物に襲われようとも、遭難しようとも、どんな時でも優しく彼女を喜ばせてあげることを最優先するムーミントロール。

実際に人間界にいたら、ほとんどの女性は骨抜きになってしまうのではないでしょうか。
恋人であるフローレンは、勇敢でイケメンなムーミンがいつも隣にいてくれて、羨ましい限りですよね。

月の労働時間350時間、音楽プロモーターでワーカホリックだった上にライターを兼業する無謀な87年生まれ。毎日アーティストと飲んだくれ、明け方に帰宅するという生活を5年間続ける。 現在はフリーランスのライター。女性の社会問題・仕事女子の生態・エンタメに従事。