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NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語だ。劇中、りんが東京で出会い、良き相談相手となるのが、“シマケン”こと島田健次郎。演じるのは、数々の映画やドラマに出演するほか、人気アイドルグループ“Aぇ! group”のメンバーとしても活躍する佐野晶哉。第3週(4月13日~)からの登場に先駆け、連続テレビ小説初出演の意気込みを語ってくれた。
-いよいよ第3週から佐野さんが演じる“シマケン”こと島田健次郎が登場します。連続テレビ小説初出演となりますが、お気持ちはいかがですか。
シマケンは最初、謎の青年として登場し、どのように物語に絡んでくるのか、序盤は全くわからないまま進んでいきます。完成した作品を初めて見たとき、それが毎日15分ずつ楽しむ連続テレビ小説のスタイルにぴったりで、すごくいいなと思いました。
-シマケンは、番組公式サイトには「新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深い。りんの良き相談相手になっていく」と書かれているだけで、今のところ謎の多い人物です。登場を楽しみに待つ視聴者に向け、佐野さんの考えるシマケンの魅力を教えてください。
シマケンは、思ったことをズバッと言う性格に加え、明治時代に外国に目を向けるほど好奇心旺盛で、外国語にも詳しいんです。そういう部分が、りんを助けることになります。その半面、意外に不器用な一面もあり、なかなか一歩を踏み出せないんですよね。だから、りんとシマケンの関係がこれからどう発展していくのかが見どころです。さらに、最初は自信満々に見えたシマケンも、実は弱い部分があることが徐々に明らかになっていきます。そのギャップも魅力なので、ぜひ注目してください。
-シマケンを演じるにあたって、どんな準備をしましたか。
シマケンが日常的に使う身近なものやげたを、あらかじめ僕も自宅で使うようにして、体になじませていきました。おかげで、昨年の夏はげたで過ごしていました(笑)。こんなにキャラクターを深める時間をいただける作品はほかにないので、すごくありがたかったです。そう考えると、今後も物語の展開に合わせて見た目や声がどんなふうに変わっていくのか、僕自身も楽しみにしています。
-シマケンには外国語のせりふもあるようですが、準備はいかがでしたか。
シマケンは初登場でいきなりフランス語を話すんです。だから、レッスンを受けた上で、せりふをしっかり覚えて撮影に臨みました。そのシーンでは、シマケンが自分の知識をひけらかすように、格好つけて話すので、僕自身も「どうだ!」と自慢するような気持ちでお芝居しました(笑)。とはいえ、僕のクランクインのシーンでしたし、今まで劇中にいなかったタイプのキャラクターなので、インパクトのある登場になり、うれしかったです。
-シマケンが「良き相談相手」となるりんとの関係について教えてください。
シマケンとりんの2人のシーンには、独特の空気感が漂っています。りんの家族や親友の槇村太一(林裕太)が一緒のシーンはテンポよく進むのに、りんと2人きりになると、お互いを意識しているようなぎこちない空気になって。しかも、自然にそういう空気になるのでお芝居もやりやすいですし、そういうシーンにこそ、シマケンならではの言葉が散りばめられているんです。それを見ていると、看護学校の仲間や母親など、数多いりんの親しい人たちの中でも、本音を最も素直に語れる相手がシマケンなんだろうなと。
-りん役の見上愛さんとの共演はいかがですか。
見上さんから、他のシーンでは見せない表情を引き出すことが僕の仕事だと思いながら、現場にいます。見上さんと僕の親友が大学の同級生だったので、最初は彼の話で盛り上がっていました。おかげで、今は仲良く撮影させてもらっています。
-ところで、連続テレビ小説初出演となると、出演が決まったときの周囲の反響も大きかったのではないでしょうか。
グループのメンバーも喜んでくれましたし、何より、連続テレビ小説を大好きな祖母が、泣いて喜んでくれたんです。実は、普段は映画やドラマの仕事が決まるたび、家族に報告しているのですが、今回はあえて黙っていたんです。こんなに喜んでもらえそうな仕事は、CDデビューしたとき以来なので、驚かせようと思って。そうしたら、情報解禁された途端、祖母からビデオ電話があり、泣きながら「うれしい」と喜んでくれました。僕も小学生の頃、「カーネーション」(11~12)を一緒に見ていましたし、連続テレビ小説を毎朝楽しみにしている祖母の日常の一部になれることが、すごくうれしかったです。おかげでばあば孝行できました。
-ご家族同様、視聴者も佐野さんのご活躍を楽しみにしていると思います。それでは最後に、佐野さんの考える「風、薫る」の魅力を教えてください。
りんの人生は、シマケンだけでなく、様々な人たちとの出会いによって動いていきます。その様子を見て、人間関係によって人生は大きく変わるものなんだなと、僕自身も改めて実感しました。僕もたくさんの方に支えていただきながら、アイドル活動や役者のお仕事をさせていただいていますが、努力は一人でできるものではないんだなと。そういう意味では、みなさんもきっと、すてきな出会いを重ねながら、よりよい人生を歩んでいこうと思える作品になると思います。ぜひ応援よろしくお願いします!
(取材・文/井上健一)







