千葉雄大 【ヘアメーク:堤紗也香/スタイリスト:Aki】(C)エンタメOVO
内館牧子によるベストセラー小説『老害の人』が、リーディングドラマとして舞台化される。出演者は、友近と千葉雄大の二人だけ。登場人物のすべてを、二人が自在に演じ分ける。
物語の主人公は、小さな玩具屋を大企業に育てた元社長の福太郎。老いてなお「自慢話が止まらない」彼は、ついに家族にも会社にも“老害”認定され、娘からは完全に距離を置かれてしまう。そんな彼の前に、自分を超える“最強の老害”・サキが現れたことから、世間から締め出された老人たちの逆襲劇が始まる。千葉に本作への意気込みや友近との共演について聞いた。
-原作や脚本を読んだ感想を教えてください。
「老害」と言われる人をはじめとした、年配の人たちの振る舞いが描かれている作品ですが、ある意味、すごく人間味のある物語だと思いました。自分の身の回りにもこういう人がいるのかなとか、もしかしたら自分もそうなのかなとか、振り返っていろいろと考えてしまいます。きっとこの作品をご覧いただく方の世代によっても感じ方は変わると思いますが、クスッと笑えるようなものになればいいなと思います。今回、友近さんと初めてご一緒させていただきますが、僕は友近さんのファンで、番組や公演を拝見していたので、ご一緒できることがとてもうれしいです。
-友近さんと実際に会った印象は?
すごく気さくにお話ししてくださり、ありがたかったです。メディアを通して、友近さんが好きだとおっしゃっていたものを、僕も好きになるということがこれまであったので、直接そうしたお話をさせていただき、すてきな時間を過ごさせていただいています。
-今回は、そんな友近さんと二人で全ての役を演じ分けることになります。演じ分けという点についてはいかがですか。
声を変えたり、振る舞いを変えるのか。それとも、それほど変えずに、自分の声のままでいくのか。演出の笹部(博司)さんがどう考えているのかによっても変わってくると思いますので、いろいろと試していけたらと思います。こうして何役も演じさせていただくのは初めてなので、楽しみです。
-音楽は、チャラン・ポ・ランタンの小春さんが担当し、アコーディオンの生演奏を行います。
小春さんとは共通の友人がいて、お話はよく聞いていたので、ビジュアル撮影のときにそのお話をさせていただきました(笑)。アコーディオンの生演奏というのは、なかなかない機会ですし、きっとお芝居を助けていただけるのではないかと思います。
-千葉さんは映像作品でも活躍されていますが、舞台でお芝居することについてはどのように感じていますか。
あまり映像だから、舞台だからと違いを考えて演じてはいません。「映像の人」「舞台の人」というのは要らないと思いますし、そうした垣根がなくなればいいなと思っています。僕はこれまで「映像が多い」と言われることが多かったので、数年前から年に1本を目標として舞台に出演してきました。もちろん、声の出し方や見せ方は(舞台と映像では)違うと思うので、それはそれぞれの場に合ったものをお出ししていきたいです。ただ、舞台ではお稽古があるので、稽古場で試せるということはすごくぜいたくだなとは思います。映像では撮影の時間があまりなくて、どんどん進んでいくので、「これでいいのかな?」と思っても、そのまま進めなくてはいけないときもあります。稽古があるというのは、大きな違いなのかなと思います。
-本作では、定年を迎えた老人たちの姿が描かれていますが、千葉さんは歳を重ねることについてはどのような思いがありますか。
それほど長生きしたくないです(笑)。なので、あまり老後のことは考えたことがないですが、きっと生活も、考え方も、自分のリズムができ上がっているから、凝り固まってくるのだと思います。人から指摘されることも減っていくと思うので、自分で正さなくてはいけなくなります。でも、自分で自分を正すことができる人はそう多くはないですよね。だからこそ「これでいいや」と楽なところで凝り固まってしまうのだろうなと。自分はそうなるのは嫌なので、失敗しても固まらないでいたいとは思いますが…どうなるのかは分からないですね(笑)。
-俳優というお仕事は、年齢を重ねたからこそできる役柄も増えてくるのかなと思うので、そうした楽しみもあるのでは?
でも、できなくなることも増えてきますから(笑)。それに、年齢ではない気もします。年齢を重ねても爽やかな役ばかりくる人もいるので、イメージというのは面倒くさいですよね。飽きないように幅は広げていきたいと思っていますが。
-30年後、40年後の理想の姿は?
余生を楽しめるくらいの貯金と健康な足があればいいですね(笑)。そうしたら心の余裕ができそうです。
-のんびり暮らしたいということですか。
実際に年齢を重ねたらまた違うことを思うかもしれませんが、今は、半分半分が理想ですね。お仕事も好きなので、のんびりしつつも、お仕事はしたいです。
-この作品に登場する高齢者の人たちは、俳句や文学などのそれぞれの楽しみを持って生きています。千葉さんが、今、ハマっていることや生きがいを教えてください。
生きがいは、わんこです。わんこが幸せに暮らせるのが一番です。ただ、趣味と言われると、何もないんですよね。「生まれては消え」をずっと繰り返していて。年齢を重ねて、より自分の時間が持てるようになったら、やっぱり趣味があった方が楽しいのだろうなと思うので、それまでに続けられる趣味を見つけたいです。
-あまり熱中するタイプではないですか。
例えば、ライブに行くことやお酒を飲むことも好きですが、一人で黙々と何かをやるということがあまりないんですよ。そういうのがあればいいなと思います。今は、それこそわんこと出かけるというのが楽しみでもありますね。うちの子は、一緒に縄跳びができるんですよ! なので、最近はそれを練習しています。
-最後に改めて、公演に向けた意気込みと読者へのメッセージをお願いします。
きっと楽しい作品になる予感がしています。「老害」や「昭和歌謡」というワードが出てくると、年齢が上の方がご興味を持ってくださることが多いと思いますが、世代を問わず楽しんでいただける物語になっています。ぜひ、彩りのある客席にしてくださったらうれしいです。
(取材・文・写真/嶋田真己)
リーディングドラマ「老害の人」は、5月4日(月)~11日(月)に、都内・有楽町よみうりホールで上演。その後、大阪、愛知、秋田と巡演。
公式サイト https://ml-geki.com/rougainohito/







