写真がまるで壁画のように見える「フレスコジクレー」

「CP+2012」には、三脚や一脚、フィルターなど、カメラ周辺機器メーカーも多数出展している。ここでは、持っているとぐっと写真が楽しくなるアイテムを、プロカメラマンがランキング形式で紹介する。

●第1位 トクヤマの写真用紙「フレスコジクレー」

写真は、「撮っておしまい」ではもったいない。プリントもまた、写真の楽しみの一つ。こだわって撮影した一枚は、ぜひ印刷して飾ってほしい。

印刷用紙(?)としておもしろかったのが、トクヤマの「フレスコジクレー」だ。建築材料の漆喰をシート化したもので、エプソンの顔料系インクで印刷できる。一般の紙にはない美しく自然な奥行き感、リアリティのあるトーンを再現できる。また保存性にすぐれ、劣化が少ないのも魅力だ。

たまには一般の用紙ではなく、こんなシートにプリントしてみると、写真はもっと楽しくなる。ぜひ会場で、この美しいトーンを確かめてほしい。

●第2位 コーワの「インダストリアルレンズ」

いい写真を撮りたいならカメラだけではなく、レンズにもこだわりたい。工業用の「インダストリアルレンズ」は、高い解像度で、周辺解像度や光量などのレンズの不利な部分でも性能を保証するよう設計されている高性能レンズだ。

コーワの「インダストリアルCマウントレンズ」を、マウントアダプタを介してミラーレス一眼に装着すると、カメラ用レンズとはひと味違った表現を味わえる。ただし、イメージサークルが狭いので、周辺がケラれる場合があるので注意しよう。

マウントアダプタを介してさまざまなレンズを試すのも、レンズ交換式カメラの楽しみの一つだ。

●第3位 浅沼商会の三脚「FOTOPRO スパイダー三脚 RM-110」

ちょっと凝ったアングルで撮影したい、手ブレを防ぎたい――。そんなときにオススメなのが、強力なマグネットや吸盤でカメラを固定する「FOTOPRO スパイダー三脚 RM-110」だ。

スパイク、吸盤、ゴム、マグネットの計4種類の石突で、硝子や鉄板などにカメラを固定できる。耐荷重は2.0kgまで。コンパクトデジタルカメラやミラーレス一眼、小型の一眼レフカメラをしっかり支える。

●第4位 ナナオのディスプレイ「EIZO」シリーズ

写真をPCで鑑賞したり、レタッチしたりする人は、ディスプレイにもこだわりたい。泣く子も黙る老舗のディスプレイメーカー、ナナオの液晶ディスプレイ「FORIS」は、広視野角のIPS液晶パネルで、見る角度による色の変化が少ないのが特徴。手頃な価格で手に入るのも魅力だ。

せっかくいい写真を撮っても、それを鑑賞、レタッチする液晶ディスプレイがよくなければもったいない。ぜひとも高品質な液晶ディスプレイで楽しんでほしい。

ナナオは「FORIS」以外にも、高色域対応の「FlexScan」やプロ向けの「ColorEdge」などのシリーズがある。AdobeRGBの高色域が撮影ができるデジタルカメラを使っているなら、その性能を生かす高色域対応のディスプレイを選びたい。

●第5位 ビクセンのポータブル赤道儀「星空雲台ポラリエ」

空気が澄んで星がきれいに見える冬には、ぜひ「星景写真」に挑戦したいもの。星は光量が少ないので、きれいに撮影するにはシャッタースピードを遅くする必要がある。しかし、星は刻一刻と移動しているので、通常の三脚で撮影すると星の動きが線で見える。

「星空雲台ポラリエ」は、星空の追尾撮影ができるモーター駆動式の雲台だ。星の日周運動に合わせてカメラを動かし、長時間の露光撮影でも星を点像として捉えることができる。「星空雲台ポラリエ」はコンパクトで、740gと軽量。気軽に持ち運ぶことができる。

●番外編 スマートフォンで撮影する人向けのオススメアイテム

最近はスマートフォンで写真を撮る人が増えた。しかし、スマートフォンのストロボは光が弱かったり、ズームがあまり効かなかったり……と不満に思っている人は多いはず。そんな人には、こちらをどうぞ。

芝川製作所の「Flash for Smartphone」は、スマートフォン用のLEDフラッシュライト。iPhoneのフラッシュ部分に取りつけると、iPhone内蔵のフラッシュ発光を検知して、LEDフラッシュライトが発光する。

ガイドナンバーは3.0ほどだが、思った以上に明るく感じられる。発行寿命回数も2万回以上と十分。「CP+2012」の会場に展示しているのは試作機ということで、5~6月に発売する製品はもう少し小さくなる予定だという。

トダ精光は、スマートフォンにマグネットで取りつけるレンズアダプタを豊富に並べている。なかでもオススメは、iPhone向けの魚眼レンズアダプタ「MAGNET MOUNT LENSES for iPHONE」だ。iPhone以外のスマートフォンにも、アダプタを介して取りつけることができる。

スマートフォンの普及で、アクセサリが豊富になり、ちょっと変わった撮影が気軽にできるのはうれしい。ここで紹介した製品以外にも、CP+ではさまざまな製品を展示している。新しいカメラやレンズを手に取って試したら、今度はぜひアクセサリのブースをのぞいてみよう。何か楽しい発見があるはずだ。(カメラマン・津島隆雄)