全国で酷暑日発生中! 猛暑対策の最新グッズ展で“ヤバい夏”を乗り切るアイテムを発掘してきた

気象庁が新たに「酷暑日」を設定した今年の夏。予想通り厳しい暑さが到来し、毎日のニュースでは「猛暑」「危険な暑さ」「○○で40℃超え」といった話題が連日トップで報じられている。こうした言葉を目にするだけでも暑苦しさを感じる人が少なくないであろう中、東京ビッグサイトで「猛暑対策展」というタイムリーな展示会が開かれると聞き、この“ヤバい夏”を乗り切るための最新グッズを探しに出かけてみた(フリーライター・鈴木 翔)。

バリエーションさまざま“着る熱中症対策”

今年で12回目の開催を迎えた本展。働く人を暑さから守る設備やアイテムを中心にさまざまな猛暑対策用品が一堂に集まる中、やはり最も多く目に飛び込んできたのは、空調ウェアや冷感機能付きウェアなど“着る熱中症対策”の製品だ。

そのうち、はじめに気になったのは、アクアテックが販売している「アクアウォーターベスト」だ。本製品は、独自開発の気化熱冷却システムを採用し、水の力だけで冷却効果が得られるという冷感機能付きウェア。冷感機能付きウェアというと、一般的に保冷剤や冷やした水を入れたペットボトルが必要になるが、こちらは水を直接注ぐだけで冷却効果が得られるタイプの一着である。話を聞いた担当者によると「普通の水道水でも3度程度の冷却効果が8時間近く持続する」そう。

東レの超高透湿素材「エントラント」を素材に採用。今年発売の最新モデルは前面2か所、背面1か所に注水口と排水キャップを備え、水の出し入れをスムーズに行える。姉妹品に電動ファン一体型の「アクアハイブリッドベスト」も揃えているが、ファンの無い本製品はより軽量で、推奨する計400ミリリットルの水を入れても重量を600グラムほどに抑えられる。バッテリーの持ち込みが難しい工事現場やファンが粉塵を巻き込んでしまうような建設現場で重宝され、シンプルなデザインなので、シャツの上に羽織る通勤ウェアとしても好評だという。

一方で、“女性推し”のブースで目に留まったのが、メカリンクが展開するリュック型空冷ウェア「クーリングベスト」だ。

空冷ウェアというと作業着的なアイテムが多いのに対し、「背負う-14℃」をうたうこちらは、自然とタウンユースできるデザインが画期的。身体の中で最も発熱する頭部と首、背中を冷やすことに特化した設計をしている。保冷剤などを搭載した背面は広範囲に冷たさが広がり、後頭部と首元には6か所の排出口から冷風が安定して届く効率的な冷却システム「TorCosys(トルコシス)」を採用している。

建設現場などで使われる高所作業用ハーネスの開発にルーツを持ち、不自由な体勢で作業をする職人に応える製品を作ってきた同社。その思想が生かされた、腕の動きを阻害しない着心地の良さもポイントで、夏場でなくてもランニングウェアなどにぴったりではなかろうか。

ニーズ拡大の日傘も、強く、ユニークに進化中

近年需要が増している日傘で最初に注目したのは、SPACECOOLの製品だ。

同社開発の「スペースクール」は、世界最高レベルの放射冷却性能を持つ新素材。放射冷却とは、地表や物質が熱を外に放出することで温度が下がる現象のことで、スペースクールはこの放射冷却と遮熱の性能を併せ持っている。従来、建築物の屋根や輸送用コンテナにフィルム等の形で張り付けられている本素材を生活用品に転用したのが、この日傘なのだ。

担当者は「ここ数年、日傘は日焼けを防ぐ道具から命を守る道具へと位置付けが変わってきています。そうした変化を受けて、男性にも積極的に使っていただけるデザインを心がけました」と、男女問わず使いやすい見た目もアピール。

同じ日傘でも奇抜さに惹かれたのが、サンコーの「ハンズフリー背負える日傘」だ。アイデア家電・雑貨の開発を得意とする同社が、両手で作業しながら差せる日傘が欲しいという農家のニーズを受けて生み出した“着る日傘”。なぜ今まで無かったのだろうと感じさせるユニークなアイテムは、UVカット率99%、UPF50+という確かな性能も魅力である。

重量は980グラムで、折りたたんで携帯が可能。実際に着用させてもらうと大して重さを感じず、写真撮影やガーデニングなど、両手を動かす趣味を楽しむ人にも便利なアイテムだと思った。

“秒”で組み立てられる、熱中症の応急処置用アイテム

そのほか、今後さまざまなシーンで需要が高まりそうだと感じたのは、イガラシが今年から販売している「ワンタッチアイスバス」だ。

同社は家庭用プールや浮き輪などを扱うビニール製品のメーカー。本製品はスポーツ少年団の保護者のニーズに応えて開発されたもので、熱中症の初期症状が見られた際の迅速な応急処置を目的としている。

ビニール素材と木質パネルで構成される本体は、空気を入れる必要なく、瞬間で組み立てが可能だ。中に全身を寝かせ、80リットルの水をかけることで腹部まで水に浸かる設計になっている。近くに水道や水場があることが必須となるが、ホースが無くても水を持ち運べる給水バッグが2個付属。自立式なのでペットボトル飲料の冷却用やフットアイシング用にも活用できる。

組み立て時のサイズは長さ154cm、横幅50cm。担当者によると、小さなプールをつくるのは水圧の関係で技術的に難しいそうだが、「とにかくスピーディーに設置できるよう、冷却の優先度が高い頭部と腹部が収まることが最優先の大きさにこだわりました」と言う。

屋外の作業現場や公共施設での熱中症対策はもちろん、個人でもキャンプや地域の集まりなど、大勢が集まる場で備えておけば、万が一の際の重症化を防ぐことにつながりそうだ。

ほかにも全身を急速冷却できる“人間冷蔵庫”など、ハッとする製品を多数見ることができた今年の「猛暑対策展」。これだけ夏の暑さが注目される中、さまざまな領域の企業が猛暑対策をビジネスチャンスに変えようと参入している様子が伺えた。まだまだ続く夏、さまざまなアイテムで自らの身を猛暑から守ろう!