D’ERLANGER

今年デビュー25周年をむかえ、4月22日新作『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』をリリースしたD’ERLANGER。Jロックに造詣が深いライターの冬将軍とバンギャルライターの藤谷千明が真面目に時に狂おしくD’ERLANGERを語ります。ちなみに敬称は略してます、ご了承ください!

藤谷:D’ERLANGERがメジャーシーンに出てきた時の話からしたいと思います。私はリアルタイムじゃない、いわゆる「後追い」なんですが、BUCK-TICKやXとはちょっと違う空気があったと思うんですよ。冬将軍さんは当時の雰囲気覚えてます?

冬将軍:自分が中学生の時かな。BUCK-TICKが『惡の華』、COMPLEXが『1990』をリリースして、当時はヴィジュアル系っていうか「黒服黎明期」みたいな感じ? 

藤谷:BOOWYやCOMPLEXもざっくりとそういう「黒い服を着てる」系譜に組み込まれてたという空気はありましたよね。

冬将軍:そんな中で『BASILISK』でメジャーデビューして。まだ「ゴシック」や「ゴス」なんて言葉が一般的ではなかった時代。BUCK-TICKもそういう雰囲気があったけど、D’ERLANGERはもっと暗かったんで。だから、最初は正直ピンと来なかったんですよ。というか、中学生には難しくてよくわからなくて(笑)。

――キャッチーな存在ではなかったんですかね。

冬将軍:曲自体はキャッチーなものもあるんですけど、雰囲気がダークすぎるというか…。
それに当時は音楽的な話をインタビューで殆どしてなかった気がする。謎だったんですよ。

藤谷:今雑誌読み返すと神秘主義というか自分たちのことを饒舌に語りたがらないっていう。
わたしは81年生まれで、D’ERLANGERのデビューした時期は小学生だったのでリアルタイムではないんですけど、この世代でD’ERLANGERのを知るきっかけっておそらく「LUNA SEAのINORANがCIPHERのこと大好きだったから」に尽きると思うんですよ。

当時の雑誌のインタビューや対談がことあるごとにINORANが言ってて。好きなバンドのルーツって遡るじゃないですか。で、この時期にそういう需要を知ってか知らずか、95年にVictorのアリオラレーベルから廉価版のアルバムが再リリースされたんですよ。2000円の!