相手の話を終わるまで聞きながら「おうむ返し」で質問する
相手の感情が高ぶっているときの謝罪は通じにくい――このことは分かっていただけたと思います。しかも、恋人や親のような心が近い人なら、なおさら謝罪が通じにくい状態になります。こういった時に、もっとも早く「リアル炎上」を消火してくれるのが、いきなり謝罪しないことなんですね。
恋人や親が「リアル炎上」状態になった時に一番早く炎上がおさまるのは、相手の話が終わるまで、黙って耳を傾けるのが一番です。
なぜ黙って耳を傾けると炎上が消火されやすいのか。それは、黙って耳を傾けるという行為は、どんな攻撃を受けても相手の言い分を聞こうとしている姿に見えるからです。
とはいえ、ただ黙っていても、話が長引くことも多いですから、「おうむ返し」で質問するといいでしょう。こんな感じです。
「さっき言ったこと謝れよ」
「さっき?」
「昨日、今度の日曜日、時間をあけてくれるって約束しただろ? それなのに仕事になったから行けないじゃないだろ。謝れよ」
「昨日? そうだったね。約束したね。ごめんね」
「どうして忘れてたの?」
「忘れてたわけじゃない。ちょっと疲れてたの。本当にごめんね」
「もういいよ。言い過ぎた。また今度にしよう。それより体調は大丈夫?」
感情が高ぶった相手の話を聞くのは面倒だと思われるかもしれませんが、逆にいきなり謝ると、こんな展開になると思います。
「さっき言ったこと謝れよ」
「ごめん、日曜の件だよね」
「ごめんじゃないよ。日曜はこっちも貴重な時間を割いてるんだぞ」
こうなると、なかなか収まらなくなってしまうと思います。相手の感情が高ぶっているのを感じたら、こちらは相手のいうことを「おうむ返し」に質問をしながら、相手が質問をしてくるまで待つ。質問してくるようなら、相手はすでに怒りがおさまっていますから、この時に初めて謝罪するようにします。
そうすると、話がこじれずに、謝罪を受け入れてもらいやすくなるんですね。
相手の鼻を見ながら質問するとさらに効果的
言うまでもありませんが、この方法は、相手が炎上した後の消火よりも、感情の爆発を向けられた時のほうがさらに効果的です。
また、相手の話をおうむ返しに質問するときは、できるだけ横を向かず、相手の鼻を見るようにして話すとよいでしょう。なぜ相手の鼻を見るとよいかというと、目を見つめられると挑戦的に見えますが、鼻を見つめられると話をちゃんと聞こうとしている態度に見えてしまうんですね。(医師が診察の際に、患者さんを刺激せずに話を聞くテクニックだと言われています
「おうむ返しに質問する」「相手の鼻を見るようにする」
トラブルになると、パニックになる方も多いと思います。まずはこのふたつを思い出して、冷静に対処してみてくださいね。