映画『日本のいちばん長い日』完成報告会見が20日、東京都内で行われ、出演者の役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一と原田眞人監督が出席した。
本作は、昭和史研究の第一人者・半藤一利の同名ノンフィクション作を映画化。太平洋戦争末期の日本の終戦の舞台裏を描く。
7年ぶりに本格的にスクリーン復帰し、昭和天皇を演じる本木は「昭和天皇への強い印象を持っている方がまだたくさんいると思います。その方たちに違う、とお叱りをいただくかと思うと、今でも唇が震えてしまう」とすさまじいプレッシャーを語った。
オファーを受けるか揺れていた本木の背中を押したのは、義母で女優の樹木希林で、「私なりに、あなたにこの役が来た意味合いが分かるような気がする。原田監督はとても力のある監督だし、昭和天皇を演じる機会もなかなかないから、受けるべきなんじゃないかしら」と助言を受け決断したという。
一方、終戦に反対する畑中健二少佐役の松坂へのオファーについて、原田監督が「(松坂くんが)坊主になるかというのが一つの問題だった」と語ると、松坂は「問題ないですね」と即答して笑わせた。役づくりで阿南惟幾陸軍大臣役の役所とともに坊主頭にした松坂は「なんて楽なんだろうと思いました。すぐ乾くところが非常にいい」と満足げに語った。
1967年には岡本喜八監督が同名作のメガホンを取っている。役所は「岡本監督のときは、子どもでしたが見に行った記憶があります。この映画にこうして参加するなんて夢にも思わなかった」と感慨深げに振り返った。さらに「戦争を知らないスタッフ、キャストで撮りました。この後、もっと若い人たちが撮って、松坂くんが阿南を演じる時代が来るかもしれません。その時、僕は鈴木貫太郎首相役で。この映画が引き継がれますよう、よろしくお願いします」と期待を寄せた。
映画は8月8日から全国ロードショー。