宿泊先、レジャー、移動中…食事以外にも潜む注意点
――旅行プランを考える際、アレルギー物質が含まれていない食事を提供できる宿・飲食店を選ぶ以外に、どういった事に気をつけるべきでしょうか?
伊藤: まず気になるのは宿ですね。湿疹や喘息を合併している場合、ダニやカビのアレルゲンにも注意が必要なので掃除や布団の管理が行き届いているかはチェックしましょう。
次にレストランなど食事をするお店。ホールのスタッフが、アレルギーについて基本的な知識や概念を持っているかどうかで、事情を説明するときのストレスが大きく異なります。
例えば、料理に「卵が入っていますか?」という質問に対して、調理場で卵を入れていないということだけを回答しているのか、もしくは原材料に卵が使われているカマボコが具に入っています、ということまで含めて答えているのかで違いますよね。
「小麦は入っていません」といわれた料理に「麩」が入っていたりすると、事故に繋がる可能性もあるのでここもチェックしておきたいポイントです。
フードコートの場合、机や椅子の汚れで接触性に症状が出ることがありますので衛生面も重要ですね。
また、飛行機で移動するのであれば機内食の対応方針がクリアであるか。例えばピーナッツの場合、「本人のみピーナッツ除去」「隣の座席の人まで配慮」「機内全面的にピーナッツ排除」という段階を持った対応をすることもあります。最近は機内食にピーナッツを一切使わないところも増えてきましたが、そのかわりアーモンドやカシューナッツが出ることもあるので、それらが食べられることを予め確認しておくことが望ましいです。
サービスエリアの屋台や自動販売機(コップ式のもの)は時々トラブルがあるので注意が必要です。
最後にレジャー・観光中に自分にとってのアレルゲンに触れる活動があるかどうかもチェックしておきましょう。
――薬は発症した時のために事前処方してもらったものを持参すべきかと思いますが、薬・保険証・母子手帳の他、持っていくべきものはありますか?
伊藤: 薬はお出かけに限らず、常備しておきたいですね。お出かけ時には、もちろん持参しましょう。また、お子さんのアレルギーの状態が説明できるように、過去に経験した症状や検査結果などをまとめたメモのようなものがあるといいですね。
――万一旅行中に発症してしまった場合、どのような対応をすれば良いでしょうか?
伊藤: これまでに経験した程度の症状であれば、早めに薬をのんでみます。
症状が強いと思った時には、我慢せずにホテルや店の人に助けを求めて、余裕のあるうちに病院に行く準備をしましょう。余裕がなければ、無理に自分で病院に連れて行こうとせず、救急車を要請します。
慣れない土地で焦って病院を探して動くのは、かえって危険です。