続いて登場したのが、山下・松江両監督、そして主役の山田孝之さん! ここはもちろんリキッドルームが割れんばかりの大、大歓声! 遠目からでもハリウッドスターのようなオーラが伝わってくる、山田さんのスターっぷり、ハンパないです。そんな山田さん、撮影当時を振り返って「頭がおかしかったけど、今は冷静になってます。」とキッパリ。しかし、そんな決意は赤羽軍団の前では無力だということを後になって思い知るのでした…。
そして両監督からもご挨拶。松江監督は、満員のリキッドルームに「圧倒されてます。今日のイベントが、一つのゴールだと思います。」と感慨深げ。そして山下監督は「斉藤さん、すごいですよね…。」とウットリ、早くも赤羽ワールドに浸食され気味です。
さらに番組の反響を3人にインタビュー。山田さんいわく、この『東京都北区赤羽』は「これまでで一番反響がありましたね」とのこと。俳優さん方も大注目だったようで、小栗旬さんから突然連絡が来て「あれ、なんなの?」と聞かれたり、江口洋介さんに呼び出されて「俳優辞めるらしいじゃん! 何がやりたいんだよ!」と怒られたりしたそう。いやはや、しかしエピソードに登場するのが錚々たる顔ぶれ!
松江監督は、なんとあの岡村靖幸さんからLINEが来て、今度番組について対談をすることになったそう。さらには『地獄甲子園』『漫☆遊記』で知られる漫☆画太郎先生のお宅に、清野先生や山田さんとともに呼ばれて原画をもらったり…なんて展開もあったとのこと。漫☆画太郎先生に「いいよね、本気だね!」と言われて大感動したそうです。
山下監督は「ヒゲ生えたねって言われるんですよ」と。ヒゲがトレードマークの山下監督が、番組の中でいきなりヒゲを剃ってしまうのはなかなか衝撃的でした。山下監督までが赤羽ワールドに飲み込まれていく、という番組の大きな転機だった気がします。
「俺は何をやっていたんだ…。」
さてさて、ここで最初のコーナーに入ります。両監督に「いろんな意味で鳥肌が立ったシーンベスト3」を選んでいただきました。松江監督曰く、「編集中にこんなに笑ったことないですよ。全部で80~100時間は撮ってますね。」と。そして大谷さんは「サイコロマンと鷹匠のくだりでションベンちびりましたよ…。」とかなりの衝撃を受けていたことを告白。番組前半の山場の展開、自分もたしかにガツンとやられました。
まず松江監督から。3位は、原作でも番組でも大きな役割を果たす居酒屋ちからの元マスターに、山田さんが劇の出演交渉をするシーンです。この劇は、後半の大きなキーポイントとなるもので、ある意味これがなければ話が終わらなかった、というくらい重要なもの。したがって出演交渉していくシーンも大事なんですが…、マスターが完全にろれつが回っていないんです。でも、それもマスターの味!と思わせてしまうサムシングがありました。
松江監督も「第一話だったらただの事故映像だけど、話数が進んでキャラクターが伝わっているから、このシーンがあり得るんです」、と。大谷さん「みんなで見ると、違う面白さがありますね」と感慨深げ。山田さんは一言「俺は何をやっていたんだ…。」
そして2位は、大根仁さんが「ザ・サイコロマン」を見た後の痛烈なダメ出し。ここは名言連発ゾーンでした「完全におかしくなってるじゃん!」「この映像は絶対世に出しちゃダメだよ!」という言葉に、見ていた当時も「言っちゃった!!」とゾクゾクきたものです。「表舞台に戻ってこれなくなるよ!」というさらにきついひと言も入っています。松江監督は「人の本性が出ていますよね」と。山田さんは「オンエアで見る頃には、大根さん、正しいって思ってました」と、あえて赤羽ワールドからの脱却をアピールしていました。
そして松江監督が選ぶ1位はワニダさんと山田さんがスーパーで買い物するシーン。これ、自分も大好きなシーンなんですよ。エキセントリックな言動が目立つワニダさんが、日常的なひとりの女性として普通に買い物をしていて、その横に、大スター山田さんがひとりの人間としてスイカを持ったり自転車を押したり、非現実と現実の間が本当にふっと消えてなくなるシーン。
演技と本来の自分、作品と虚実の境が分からなくなるんです。松江監督もおっしゃっていた通り、この番組を代表するシーンだったかもしれないですね。さすがの一位でした! 山田さんは「何やってたんだろう…。どう見てもこれ、夫婦ですよね…。」とボソリ。MCの大谷さんが一言、「全部夏のせいですよね」とおっしゃっていたのは的を射ていたと思います。