「私も働いてるんだから、もうちょっと家事をして」と頼んだら、「俺は君の倍稼いでるんだから、これ以上の家事はしない」と拒まれた。

専業主婦業を軽く見る夫に「一度ワンオペで家事育児してみなよ」と言ったら、「君が俺と同じくらい稼げるなら交代してもいいけど」と返された。

……表現やニュアンスの差こそあれ、このように、夫に“収入差”を切り札のように持ち出されて、カチンときた経験のある妻は少なくないのでは?うっかり口が滑っただけだとしても、許しがたい発言ですよね。

反撃するなら、なるべく少ない言葉で冷静に諭して、「妻にも一理ある」と思わせるのがコツ。おすすめの切り返し方を3つ紹介します。

1.「二人で稼いだお金じゃないの?」

民法では、婚姻中に自己の名で得た財産は、その人の個人財産となるとされています(ただし離婚した場合は、婚姻中に夫婦で協力して形成した財産については財産分与の対象になります)。

夫が「俺が稼いでる」アピールをするとき、言葉の裏には「俺が働いて得た収入だから俺のお金だ!」「その俺のお金で家族を食べさせてやっている」という意識があるわけですが、法律面だけ見れば、その理屈も通らなくはありません。

しかし一般的には、たとえ妻が専業主婦で、夫だけが働いている場合でも、その収入は二人のもので、家族の収入と考える家庭が多いはず。妻が家事の大半を引き受けている場合、栄養面から身だしなみのケアまで含め、夫の就労そのものを妻が支えているとも言えます。

そもそも結婚するときには、夫婦の役割分担にお互い納得して、いっしょに頑張ろうと誓ったのではないでしょうか。

ですから、夫に「俺の稼ぎ」「俺の方が稼いでる」などと主張されたら、「俺の稼ぎって…二人で頑張って得たものでしょ?」とやんわりたしなめましょう。

腹が立つからとムキになったり怒ったりすると、「稼いでいるものが上」という家庭内ヒエラルキーを認めた雰囲気になってしまうので、感情的にならないよう注意を。

さらっとクールなトーンに「夫婦なのに、どちらが多く稼いだかを気にするのは意味ないし、おとなげないんじゃない」というニュアンスを込めましょう。

もし普段から妻が毒舌キャラなら、ちょっとふてぶてしく「夫のものは妻のもの」などと標語風に言い放つのもアリかも。あくまでジョークですが、この場合、夫の収入が誰の名義で、誰に使う権限があるのか…といったことは問題ではありません。

この一言に、妻自身が、夫が稼げるのは自分のおかげと自負していることをにじませ、夫のマウンティングに全くひるんでいないと示すことがポイント。夫に、「ちっさいこと言うんじゃなかった…」と思わせることができれば成功です。

2.「家事は自分の家のことでしょ?」

妻が働いていてもいなくても、妻の一番の理解者であるはずの夫が、妻を召使いのように扱っていいわけではありません。妻の家事負担が重く妻自身が助けを求めているなら、収入に関係なく分担してくれるのがあるべき姿でしょう。

収入差を理由に、まったく、もしくはほとんど家事や育児を担わないような夫は、単にやりたくないから逃げているだけとも考えられます。

そこで、いったん夫の稼いでるアピールは無視して、「自分が住んでいる家なんだから、家のこと(家事)をするのは当たり前」「家事は人として必須のスキル」という別の観点から切り込むのも一つの手です。

子育て中の家庭では子どもたちに「自分のことは自分でやるように」としつけているケースが多いはず。性別に関わらず、お手伝いをする子もいっぱいいます。

ですので、夫には、「子どもだって家事や身の回りのことくらいするのに、パパだけしないなんて変じゃない?」という理屈に気づいてもらいましょう。それなりに子どものしつけや教育に関心を持っているパパなら、心のどこかで「こりゃマズイ」と思うはずです。